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  1. 佐賀県議会 2021-06-29
    令和3年農林水産商工常任委員会 本文 開催日:2021年06月29日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三分 開議 ◯川崎委員長=ただいまから農林水産商工常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◯武藤委員=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。  私、今日は三問予定しておりますが、いずれも防災対策という観点から組み立てております。  まず第一問、有明海沿岸の高潮対策についてです。  今年は桜のシーズンもいつもより二週間ぐらい早く、ほかの花も順次早め早めに咲いていくというような状況にございました。  近年、異常気象とも言われて、台風も大型化しているということなど、本当に各地で自然災害が発生しています。今日は沖縄県で、線状降水帯などでの大きな被害も心配されるところでございます。佐賀県でも、令和元年度における佐賀豪雨をはじめとして、線状降水帯による集中豪雨が発生しました。そして、三年連続の大雨特別警報の発令があるなど、多くの災害が発生しております。大雨だけでなく、大型台風も九州を襲い、そして、昨年は台風十号の危険にもさらされました。  今年は早めの梅雨入りをしましたが、今は梅雨の晴れ間ということになっておりますけれども、これから雨季や台風などについて心配な状況になるのではないかというふうにも思っています。  そこで、まず災害対策、高潮対策について質問したいと思っております。  高潮対策についてですが、県は高潮対策の一環で県営海岸保全事業として堤防のかさ上げを実施されております。  有明海沿岸におけるこの事業では、現在までの整備の状況はどのようになっているのでしょうか。 3 ◯島内農林水産部副部長=県営海岸保全事業の整備状況についてお答えします。  有明海沿岸における農林水産省所管、国土交通省所管の海岸保全事業につきましては、海岸堤防背後の優良農地や集落への高潮被害を軽減するため、過去最大級の台風、これは昭和三十四年九月発生の伊勢湾台風クラスでございますが、これを想定しまして、県内に最も影響のある進路を通過した場合の高潮高によりまして、計画高を七・五メートルに設定しております。  農林水産省所管の海岸保全事業につきましては、昭和四十五年に着手し、これまで有明海沿岸で九地区、約二十七・一キロメートルのうち、令和二年度までに計画堤防高までかさ上げをしている整備延長は約二十一・九キロメートル、その割合は約八一%となっております。  以上、お答えします。 4 ◯武藤委員=今お聞きしますと、国の事業はほぼ終わっているというふうに思われますけど、県の分がお答えになったように八〇%というところで、本年度はこれを進めていかなければならないと思うんですけれども、どのような整備計画を持って、どういうふうに進めようとしておられるのかについてお聞きしたいと思います。 5 ◯島内農林水産部副部長=本年度の事業計画についてお答えします。  本年度、有明海沿岸地区におきまして、事業費七億五百万円により西川副、そして、廻里江地区の堤防盛土のほか、老朽化に伴う排水樋門の改修、耐震対策として鋼矢板による補強工事を実施することとしております。
     以上、お答えします。 6 ◯武藤委員=どんな災害が起きるかもしれないという中で、高潮対策の効果が早く現れるためには早急な整備を行っていただきたいと思います。  先ほどお答えいただいた中で、一〇〇%に近いところもあれば、そうでないところもあるわけですけれども、県はどういうふうに促進していかれるのか、お考えをお示しいただきたいと思います。 7 ◯島内農林水産部副部長=今後の海岸保全事業の整備促進についてお答えします。  海岸堤防は、地域住民の生命や財産を高潮等の被害から守るため、重要な施設であり、できるだけ早く整備する必要があると認識しております。  有明海沿岸の海岸堤防は、干潟を干拓農地に造成する際、超軟弱地盤の上に建設されたものであり、堤防のかさ上げ、耐震対策などの整備には多大な事業費と時間を要するため、効果的で効率的な事業執行に努め、早期に計画堤防までの整備を終えるよう、政策提案など様々な機会を捉え、予算の確保に努め、海岸堤防の高潮対策を着実に進めてまいります。  以上、お答えします。 8 ◯武藤委員=私がある方とお話ししておりましたら、同じ有明海に面した佐賀県と長崎県の違いということで、長崎県はいろんな災害対策で諫早湾干拓の潮受け堤防などを造ったりしておられるんですけれども、佐賀県は本当に海岸整備に丁寧にきちっと対応して、無理なく努力をされておられるというふうな評価をいただきました。  私はこのやり方ですね、本当にそれぞれの県の違いがあったとしても、地域の漁業者とか住民とかに迷惑をかけるようなやり方ではなくて、佐賀県のこのやり方というのは、さらに頑張っていただけたらなというふうに、私自身もそのことをお聞きしながら改めて考えた次第ですのでお願いしておきます。  それから次に、潮風害の対策についてです。  有明海沿岸においては、高潮対策に力を入れていただいていると思いますが、台風被害の一つに潮風害があります。いわゆる塩害です。  二〇〇六年、平成十八年の九月ですか、台風十三号での塩害被害、台風接近と有明海の満潮の時間が重なったために暴風が海水を巻き上げて、広範囲に海水が飛散して、水稲や大豆、それから、野菜などで潮風害を受けたことを思い出します。  潮風害を防ぐ抜本的な対策がないとも聞いておりますけれども、被害が生じた場合、被災された農家が営農を継続できるようなしっかりとした支援が重要だというふうに思っております。  県では、潮風による農作物の被害など、どのような支援をしておられるんでしょうか、お聞きしたいと思います。 9 ◯池田農政企画課長=潮風害対策についてお答えいたします。  自然災害によりまして農作物被害が発生した場合には、国の支援策を積極的に活用するとともに、それだけでは十分な対応ができない部分について県独自の支援を行ってきたところでございます。  潮風害に対しましては、まず国の支援策として、水稲や大豆、果樹の収穫量が減収した場合に共済金が支払われる農業共済、また、災害に限らず、農業経営全体の収入が減少した場合に保険金が支払われる収入保険などといった制度がございます。  また、金融面では、被災した農家の方が経営再建に必要な資金の融資を受けることができます低金利の農林漁業セーフティネット資金が用意されております。  次に、県独自の支援につきましては、国の支援策の措置状況、また、被害の程度や規模を見極めた上で、必要な対策を行ってきたところであり、例えば、委員の御質問にもございました潮風害が甚大であった平成十八年の台風十三号による被害に対しましては、水稲と大豆では、次期作に必要となる種子代や処理量の減少により運営が困難となる共同乾燥調製施設の固定経費への助成、また、種子を生産していただいている農家のかかり増し経費に対する助成を行い、野菜では、潮風害により傷んだ株の植え替えに必要となります苗代や、株の成長を回復させるための殺菌剤や葉面散布剤の購入費への助成などを実施してきたところでございます。  これから台風シーズンを迎えますが、台風の進路により潮風害が予想される場合には、水稲では水田に深く水を張る深水管理や、台風の通過後には水の入替えを行うなど適切な営農対策を取るよう農家の方へ指導するとともに、万が一、被害が生じた際には農家の皆さんが意欲を失うことなく次期作に取り組んでいただけますよう、現場の状況を踏まえ、しっかり対応してまいりたいと思います。  以上、お答えいたします。 10 ◯武藤委員=佐賀県の場合は、特に沿岸の漁業者にとって台風災害というのは避けて通れない部分もあるわけですけれども、それに伴う塩害の中で、いろいろ工夫もしたり、がっかりもされたりという中で、今後も引き続き県の手厚い支援を望みたいというふうに思っています。  やっぱりそういう皆さんの支援があってこそ、農家の人たちも次への意欲につながっていくと思いますので、避けて通れない部分、対応をきちっとやっていただくということが大事だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  次に移ります。次も防災・減災に関しての質問です。農業用ダムの洪水調節への対応についてお聞きしたいと思います。  これから梅雨期も後半に入って、雨も集中するというふうにも思っております。  佐賀県民は、令和元年八月、佐賀豪雨を経験しましたが、この数年、広島や岡山、四国などでも、そして、九州各地でも集中豪雨、大水害が発生しております。今後、いつどこで豪雨が発生するか分かりません。  河川や排水機場だけでなく、あらゆる関係者が防災・減災の意識を持ち、治水対策に取り組んでいくことがこれからもとても大事だと思っております。  国や県では、近年の水害の経験から、洪水が予測されたときに多目的ダムや農業用ダムについて緊急放流だけでなく、事前放流をすることで洪水調整ができるように治水対策を進めています。  令和元年には、私はちょうど県土整備・警察常任委員会のほうに属しておりましたけれども、そこでもやっぱり災害対策、洪水対策などについてずっと論議したんですね。  そして、洪水の対策のためにも、事前放流ということも大事なんじゃないかというふうなことも求めてきたわけですけれども、この委員会においては、県内の農業用ダムについて質問したいというふうに思います。  まず、農業用ダムの現状ですが、県内の農業用ダムの設置状況など、どのようになっているかお示しください。 11 ◯江口農地整備課長=県内の農業用ダムの設置状況についてお答えします。  県内の農業用ダムは、県営事業で設置したダムが六カ所、国営事業で設置されたダムが六カ所ございます。  県営事業で設置したダムは、鳥栖市の河内ダム、多久市の岸川ダムと天ヶ瀬ダム、それから、武雄市の繁昌ダムと庭木ダム、有田町の古木場ダムがございます。  また、国営事業で設置されたダムは、佐賀市の北山ダム、唐津市及び玄海町──いわゆる上場地域でございますが──の後川内ダム、打上ダム、赤坂ダム、上倉ダム、それから藤ノ平ダムがございます。  以上、お答えいたします。 12 ◯武藤委員=国のほうで整備したのと県で整備したのとあるというふうなことなんですけど、県内の農業用ダムの洪水調節の容量、これはどのようになっているのでしょうか、お聞きしたいと思います。 13 ◯江口農地整備課長=県内の農業用ダムの洪水調節容量についてお答えいたします。  県内の農業用ダムの洪水調節容量につきましては、ダムの設置者である国、または県が過去十年間のダム水位や貯水量、それから、水位の回復量などを基にいたしまして、利水者の意見を聞くなどして、それぞれのダム管理者である市町、または土地改良区と協議、調整を行い決定してございます。  これらにより決定された県内の農業用ダム十二カ所の洪水調節容量は、県営農業用ダム六カ所で約百八十七万トン、それから、国営農業用ダム六カ所で約三百十五万トン、合わせて約五百二万トンとなってございます。  なお、この容量につきましては、北山ダムの有効貯水量二千二百万トンの約四分の一に相当する量となってございます。  以上、お答えいたします。 14 ◯武藤委員=農業用ダムを活用した洪水調節にこれまでどのように取り組んでこられたんでしょうか。 15 ◯江口農地整備課長=農業用ダムを活用したこれまでの取組についてお答えいたします。  農業用ダムを活用した洪水調節の取組につきましては、令和元年十二月に国におきまして「既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針」が示されましたことから、ダム管理者である市町または土地改良区と、洪水調節容量ですとか期間などにつきまして協議、調整を行い、令和二年五月から令和三年三月にかけて河川管理者、ダム管理者及び水利権者の間で全ての農業用ダムについて協定が締結されてございます。  これらの協定に基づきまして、県営ダムにつきましては、洪水調節機能を持った河内ダム及び岸川ダムの二カ所を除きます三カ所のダム、これは繁昌ダム、庭木ダム、古木場ダムでございますが、この三カ所のダムにおきまして、昨年九月の台風九号、十号の降雨に備えまして、あらかじめ水位を低下させたところでございます。  また、天ヶ瀬ダムにつきましては、ダム下流域の河川におきまして災害復旧工事が行われていましたことから、事前放流等は行ってございません。  今年は天ヶ瀬ダムにおきまして、六月十日から徐々に水位を低下させ、六月二十三日までの十三日間で約三・九メートルの低下、約二十万トンの洪水調節容量を確保したところでございます。  以上、お答えいたします。 16 ◯武藤委員=では、今後も大雨の災害が予想されるというようなときには、そういった地域、流域の人たちとの話合いを進めて、そういう体制を取っていかれるということだと思います。それでよろしいですね、お願いしておきます。  それから、農業用ダムの洪水調節に取り組む上で、課題としてはどんなことがあるでしょうか。 17 ◯江口農地整備課長=洪水調節に取り組む上での課題についてお答えいたします。  洪水調節への取組には、市町、土地改良区といったダム管理者が通常行います管理、操作のほか、事前放流等のための降雨予測ですとか、農業用水の必要量を考慮した機器の操作を適切に行うことが重要となります。  しかしながら、このような操作を行うことに伴いまして管理者に新たな負担が発生すること、それから、農業用ダムは放流施設が小さく、短時間で空き容量を確保することが困難なこと、それから、事前放流等を実施した際、水位が回復せず、営農に影響を及ぼすおそれがあることなどの課題があると考えております。  以上、お答えいたします。 18 ◯武藤委員=幾つかの困難な部分を挙げられましたけれども、農業用ダムの洪水調節を効果的に行っていくために、そういった課題の検討も含めて、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お示しください。 19 ◯江口農地整備課長=今後の取組についてお答えいたします。  農業用ダムの洪水調節を効果的に行うためには、ダム管理者の負担を軽減し、操作を適切に行うことが必要であることから、こうした課題を解消するため、洪水調節に要する人件費ですとかダム情報を共有化するための機器の整備に対する補助について、国に対して政策提案を行ってきたところでございます。  今年度、国におきまして、農業用ダムの洪水調節機能強化について制度拡充がなされましたことから、実際にダムに行かなくとも貯水位などのダム情報が、携帯端末などでリアルタイムに共有できるよう、通信機器等の整備を行うこととしまして、今議会で必要な予算について御審議をお願いしているところでございます。  農業用ダムの洪水調節への取組に当たっては、ダムの水が農業者にとって貴重な水でありますことから、営農に支障が出ないよう、今後とも関係者の御理解と御協力を得ながら慎重に取り組んでまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 20 ◯武藤委員=もちろん、営農に支障が出てはいけないわけですけれども、流域の住民の皆さんの健康や財産を守っていくという役目も果たしていかなければなりませんが、そこのところどうぞよろしくお願いしておきます。  それから最後に、保安林の問題です。  これは唐津市七山の風力発電計画に伴う保安林の取扱いについてお聞きしたいと思っております。  私は、原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を求める脱原発の立場です。しかし、再生可能エネルギーならどんなことをしても、あるいはどんなものでもオーケーというわけにはいかないと思っております。乱開発にならないようにしなくちゃいけない、住民合意で進めなければならない、そういう立場が基本でなければならないと考えております。  大阪のアベノハルカスに本社を置くエネルギー会社が、唐津市七山と福岡県糸島市との県境の山の中に最大出力三万二千キロワット、最大高さ約百六十メートルの風車を八基から十基あたり設置するという風力発電事業を行う整備計画が今浮上しております。騒音や低周波の問題が指摘される中で、現在は環境アセスの環境影響評価方法書の手続が行われているというふうに聞いております。今年一月に唐津市七山、佐賀市富士町、福岡県糸島市の三カ所で住民説明会が開かれております。住民の皆さんからは、保安林伐採で土砂崩れの可能性が高まるのではないかなどの指摘があり、そういった意見が相次いだとのようです。  こうした事業は、やはり冒頭言ったように、住民合意でなければ進めるわけにはいきません。この計画該当地域は保安林に指定されているところなんです。保安林のこういう問題、開発行為ができるのか、地元でも心配の声が上がっておりますので、質問いたします。  保安林の制度についてですが、計画地域は保安林ですが、保安林とはそもそもどういうものでしょうか、お示しください。 21 ◯吉良森林整備課長=保安林制度のうち、保安林の概要的なところについてお答えさせていただきます。  保安林につきましては、森林法に基づきまして、水源の涵養や土砂の流出防備、防風などの目的によって、公益的機能上、特に重要な森林を国や県が十七種類を指定できるようになってございます。そのうち、複数の都道府県にまたがる流域などの重要な流域であって、水源の涵養、土砂の流出防備、土砂の崩壊防備の三種類につきましては、農林水産大臣が指定することになってございます。また、風害防備など、その他十四種類ございますけれども、その部分については都道府県知事が指定することとなってございます。  全ての保安林につきましては、恒久的に森林として維持保全していくために、立木の伐採、これは樹木の伐採のことですけれども、そういった伐採や土地の形質の変更などの行為等を制限いたしまして、適切に管理することが必要となってございます。  以上、お答えいたします。 22 ◯武藤委員=恒久的に維持していかなければならない、そういう役割を持っている保安林ということなんですけど、県内での保安林の指定はどのようになっていますか。都道府県が管理するというところも先ほど述べられましたが、どうなっているのかお示しください。そして、唐津市内、また当該地がどのぐらいあるのかもお示しください。 23 ◯吉良森林整備課長=県内の指定状況についてお答えさせていただきます。  県内の保安林につきましては、十二種類、延べ約三万三千六百ヘクタールが指定されておりまして、重複を除きますと、約二万七千九百ヘクタールとなってございます。  保安林の種類ごとの内訳につきましては、大臣指定の水源涵養保安林が約二万三千二百ヘクタール、土砂流出防備及び土砂崩壊防備保安林が約七千二百ヘクタールとなってございまして、保安林全体の九〇%を占めてございます。  また、知事が指定する森林レクリエーションの場として利用する保健保安林が約二千七百ヘクタール、防風や潮害防備、この潮害防備といいますのは、津波とか高潮から守るための保安林でございますけれども、そういったものが約五百ヘクタールとなってございます。保安林全体の一〇%となっています。  なお、唐津市では、約六千四百ヘクタールが指定されておりまして、そのうち、水源涵養保安林が五千百ヘクタール、土砂流出防備保安林が九百ヘクタール、保健保安林、それから防風・潮害防備保安林等が約四百ヘクタールとなってございます。  さらに、唐津市七山の計画地周辺の保安林についてでございますけれども、現在、計画が検討されている土地につきましては、唐津の市有林ということで伺っておりますが、そちらは水源涵養保安林及び土砂流出防備保安林、両方が重複した形での指定となってございます。  発電施設の風車が建つ部分、八基から十基を計画されておるわけですけれども、そこの一帯の区域面積は約百三十ヘクタールほどとなってございます。  以上、お答えいたします。 24 ◯武藤委員=御答弁ありがとうございました。  該当しているところが災害だとか、それから環境で問題点があるのではないかと心配しているところです。  保安林においては、その機能を維持するために必要な制限がかけられることになりますが、どんな制限があるのでしょうか、お示しください。 25 ◯吉良森林整備課長=保安林における行為の制限についてお答えいたします。  行為の制限につきましては、大きく二つございまして、立木を全て伐採する皆伐の場合、それから一定規模以下の土地の形質等の変更を行う場合は知事の許可が必要となってございます。  なお、抜き切りをする、間伐等をする場合は知事への届出が必要となっています。一部の市におきましては、権限移譲されておりますので、市長への届出というところがございます。  また、指定施業要件と申しまして、こちらは保安林として最低限守らなければならないルール的なものでございますけれども、そういったところにおきまして植栽が義務づけされております保安林におきましては、伐採した場合にその翌年度から二年以内の植栽が必要となってございます。  以上、お答えいたします。 26 ◯武藤委員=かなり厳しい制限があると思うんですね。保安林として定められていたものを解除する場合、つまり、風力発電計画では当該地の保安林指定を解除しなければならなくなります。どういう場合だったら解除できるのでしょうか、お示しください。 27 ◯吉良森林整備課長=保安林の解除についてお答えさせていただきます。  解除につきましては、森林法では指定理由の消滅と公益上の理由、この二つの場合に限り認められてございます。  一つ目の指定理由の消滅による場合につきましては、例えば、土砂流出防備保安林におきまして、その保全の対象となっていた鉄道、これは例示でございますけれども、鉄道が路線変更によりまして他に移転した場合など保全対象が消滅したとき、また、火山活動などの自然現象等によりまして保安林が破壊され、かつ森林として復旧することが著しく困難と認められるとき、こういった場合に指定理由の消滅による解除が行われます。  二つ目の公益上の理由による場合でございますけれども、保安林を公共事業等の用に供する必要が生じたときでございまして、国や地方公共団体等が実施するもので、土地収用法その他法令により土地を収用し、または使用できることとされている事業を実施する場合、それから、国等以外の者が実施するもので、鉄道事業法や電気事業法などの公益性が高い事業に該当するものが公益上の理由による解除となってございます。  以上、お答えいたします。 28 ◯武藤委員=今大きく二つの理由があるというふうに言われました。そのうちの一つは、今まで保全していた保安林の役割が、家とか集落とかがなくなって守る必要がなくなったという場合、それから保安林内での公益性が高い状況が発生して、やむを得ず建設するという公益上の理由、公共的な役割を持つものができるというようなことだと思うんですけれども、この民間が造っていこうとしているエネルギー、風力発電、公益上といってもいろいろ範囲が広いですけれども、民間の業者の手によるものなんですけれども、本当にそういったことでの解除の対象になり得るのかなという思いを持つわけですね。この指定解除の権限は誰が持っていますか。 29 ◯吉良森林整備課長=保安林解除の権限についてお答えいたします。  保安林解除の権限につきましては、それぞれ指定を行いました農林水産大臣、または都道府県知事にあるということになってございます。  以上、お答えいたします。 30 ◯武藤委員=先ほどから言っている民間業者の手による風力発電なんですけれども、この委員会では環境アセスが今行われていることをどうこうは言えない、論じられないという委員会ですけれども、ただ、皆さんの頭の中に入れていただきたいのは、公益という言葉のもとに、まだ八基建つのか十基建つのかはっきり分からない、具体的な面積もまだはっきりしていないという中で、指定の解除が簡単にできるのかなという思いがあるんですが、皆さんたちは解除の手続、どういうふうに進めるおつもりですか。今、私が言った問題点もちゃんと頭の中に入れた上で考えていただけたらと思うんですが、どんなふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
    31 ◯吉良森林整備課長=まず、保安林解除の手続についてお答えさせていただきます。  これは事務的な流れでございますけれども、通常、大臣指定の保安林解除につきましては、解除を必要とします申請者が解除に係る書面とか図面を作成いたしまして、直接の利害関係を有する者の同意を取るなどして県に提出されます。  県は、国が示しました「森林法に基づく保安林等事務処理基準」というのがございまして、そういったものに基づきまして審査を行い、また一ヘクタール以上の解除になりますと、県森林審議会の意見を聴取した上で国に副申をしていくことになります。  その上で、国が解除と認めた場合におきましては、国からの通知によりまして、県による解除予定の告示を行い、これは三十日間でございますけれども、公告縦覧が行われます。その後、異議意見等がなければ、国が解除の確定を行い、保安林解除の手続が完了するということでございます。  また、知事指定の保安林解除の場合も、これは一般的な話でございますけれども、申請者が大臣指定と同様に書類を作成して県による審査等々を行いまして、県が解除することとなります。  以上、お答えいたします。 32 ◯武藤委員=保安林は目的があって指定されているわけですから、部分的に解除されるとしても、保安林が持つ機能は保たれなければならないというふうに思います。  保安林の持つ機能に代わる役割が求められていくのではないかと思いますが、どういうことが考えられますでしょうか、お示しください。 33 ◯吉良森林整備課長=保安林に代わる機能の維持についてお答えさせていただきます。  解除に当たりましては、解除される保安林の機能、これを代替する代わりに持たせる機能でございますけれども、そういった施設が求められるものでございまして、例えば、水源涵養保安林でございますと、洪水防止のための調整池設置等がございます。土砂流出防備保安林でございましたら、土留め擁壁やのり面緑化等の施工が挙げられます。  以上、お答えいたします。 34 ◯武藤委員=今、お示しいただいたように、調整池が必要だとか、土留めのための防護壁だとか、そういったものが必要になってくるということなんですけど、そういったことをその開発業者さんは分かっているんでしょうかね。そこら辺どんなふうに思っていらっしゃいますか。 35 ◯吉良森林整備課長=開発業者の認識についてお答えさせていただきます。  保安林解除の件につきまして、正式に事業計画が今上がってきていない状況でございます。そういった中で、今年の四月でございましたけれども、保安林の状況について事業者さんとオンラインによりまして打合せといいますか、協議をさせてもらったところでございます。  その協議におきましては、今までお答えいたしましたような保安林はそもそもどういうものかといったこととか、それから保安林の解除の要件ですとか、先ほどの指定理由の消滅に当たるか、公益上の理由に当たるか、そういったものも含めまして協議をさせていただいて指導させていただいたところでございます。  以上、お答えいたします。 36 ◯武藤委員=そのときの反応はどんなふうでしたか。 37 ◯吉良森林整備課長=そのときの反応についてでございますけれども、事業者とされましては、まだこれから計画を詰めていかれるということでございましたので、あくまで保安林の解除についてどうこうという話ではございませんでした。  以上でございます。 38 ◯武藤委員=課長がリモートで協議をされたときに、相手方に重要なことを提起されたと思うんです。それをどんなふうに受け止めたかなということをちょっと知りたいんですが、表面上の反応はどんなふうでしたか。 39 ◯吉良森林整備課長=事業者の受け止め等についてお答えさせていただきます。  そもそも保安林解除の要件について詳しく御説明をさせていただいております。その中におきましては、ここは保安林が計画されておるわけですけれども、保安林以外に本当にここしか土地を求めることができないのかとか、あるいは事業の実現性は確実であるのかとか、それから住民の同意等を得られているのか、そういったところがどうしても保安林の解除には必要となってまいります。そういった点について事業者のほうにきちんとお示しをさせていただきましたので、そういった点を含めて事業者の方では今後の検討がなされるものというふうに考えております。 40 ◯武藤委員=ありがとうございます。課長は本当にそういうきちっとしたことを言っていただいているというふうに感じました。  これらのこと、利害関係者の同意があってこそ成立していくというふうに思うんですね。同意はどの範囲で必要になるのでしょうか、お示しいただきたいと思います。 41 ◯吉良森林整備課長=利害関係者の同意についてお答えさせていただきます。  利害関係者につきましては、まずは森林の所有者、それから保安林機能の直接の受益者である周辺の集落等、それから関係市町の長などとなってございます。  以上、お答えいたします。 42 ◯武藤委員=関係の周辺の町ということから言えば、具体的には下流域の浜玉などへの影響も当然出てくると思うし、唐津市全体もその対象になるんではないかというふうにも思うわけですけれども、今後そういった話合いとかもされていくであろうとは思いますが、これは民間が進めている事業なので、本当に何度も言うように取扱いは、手順だとか、そういった段取りがきちんと整っていれば皆さん方の仕事は進むのかもしれません。しかし、周辺住民だとか県民生活に、本当に災害による被害をもたらしてはいけないというふうにも思っております。くれぐれもこれは慎重な対応をお願いしたいと思います。  保安林を管理する県の立場として、事業者に対し今後どのような指導を行おうと考えておられるのでしょうか。これはちょっと部長さんにお答えいただきたいと思いますが、どのように段取りを進めていこうと思っておられるのか。いろいろ影響は大きいんですね。ここの場では答えられない、文教厚生常任委員会になるかもしれないんですけれども、それはそれとして、しかも県が進めている新エネルギーだったら産業労働部のほうにも聞けるんですけれども、保安林のみの関係ということになって、本当にお答えづらいとは思いますが、本当に流域住民、周辺住民の皆さんの安全なども関わってくる大きな問題ですので、慎重な対応をお願いしたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 43 ◯池田農林水産部長=風力発電事業者に対する対応についてお答えを申し上げます。  現時点では事業者から保安林の解除等について具体的な計画を提示されておりませんので、今のところはこうしていこうということはなかなか申し上げにくいところはございますけれども、とにかく保安林につきましては、先ほど課長が申し上げましたとおり、水源の涵養とか、土砂の流出の防備、防風など、公益的機能を有する大変重要な森林でございます。今後、この件につきましては保安林制度に則って適切に対応してまいりたいと考えております。  以上、お答え申し上げます。 44 ◯武藤委員=やっぱり住民の不安な問題を抱えておられますし、環境も大事ですし、乱開発にならないようにということを切に願っておりますので、今後ともよろしくお願いしておきます。 45 ◯大場委員=自民党の大場です。通告に従い、随時質問をさせていただきます。  まず、「さが園芸888運動」の推進についてお伺いをしたいと思います。  県では、令和元年から生産農家をはじめ、JAや市町などの関係者と一体となって「さが園芸888運動」に取り組まれてございます。  この運動では、平成二十九年に六百二十九億円であった園芸農業の産出額を令和十年までに八百八十八億円とする極めて高い目標を掲げられてございます。この目標を達成するため、野菜や果樹、花卉など、それぞれの園芸作物ごとに産出額を伸ばす取組が行われていると思います。  しかし、私の地元の唐津市の生産農家からは、子供たちが就職して自立したからイチゴ作りは俺の代で終わりばいというような声もよく聞きます。生産者の高齢化と後継者不足に不安を感じておるところでございます。  片方で、唐津市に導入していただきましたパッケージセンターについては大変好評でございまして、あのパッケージセンターがなかったら俺たちは対応できとらんばいと。大変助かったと。規模拡大につなげていきたいというような声も若い人たちからは聞いておるところでございます。県の支援、行政でできる支援というのは限られると思いますけれども、こういった有効な支援が行き届いておるんだというものを感じておるところでございます。  この「さが園芸888運動」は大変よい取組であり、運動を契機として、イチゴのように産地の園芸振興への機運が高まり、稼げる農業が実現できるよう、目標達成に向けて強力に進めていく必要があると思っておるところでございます。  加えて、「にじゅうまる」という新品種もできまして好評でもありますし、本当にこれから先が楽しみだというようなものも持っておるところでございます。  そこで、次の点についてお伺いをしてまいります。  園芸産出額の現状についてですが、直近の本県の園芸産出額はどのようになっておるのか。また、九州における位置づけはどのようになっておるのかお答え願います。 46 ◯南園芸課長=本県の園芸産出額の現状についてお答えいたします。  直近の令和元年の園芸産出額は、主力品目であるタマネギの貯蔵病害の発生、あるいは日照不足によるミカンの品質低下などの影響によりまして、「さが園芸888運動」の基準年である平成二十九年の六百二十九億円から五百八十四億円に減少している状況でございます。  また、九州内での位置づけといたしましては、平成二十四年以降、長崎県に次いで六番目という順位になっているところでございます。  以上でございます。 47 ◯大場委員=この「さがの園芸」という資料もいただきました。(資料を示す)何かこの資料を見ますと、本当に佐賀県の農業というのは頑張っておるというのが表れているんですね。タマネギの作付面積、九州で一番とか、イチゴの作付面積は四番目ぐらいですけれども、十アール当たりの収量なんていうのはトップなんですね。これを見ると、園芸農業という農家というのはぱんぱんに膨らんでいるような状況でありまして、それをさらにあと二百六十億円ぐらい積み上げんばいかんような事業でございますので、本当に何か大変な事業と思っておるんです。  しかしながら、先ほども申しましたように、行政としてできる、手助けができる部分というのは大いに農家の身になって、立場になってこの事業を推進していただきたいと思っておるところでございますけれども、今度の運動の目標達成に向け前向きに取り組む個々の農家を支援するために本事業が設置されていると思いますけれども、その内容はどのようになっておるのかお伺いをいたします。 48 ◯南園芸課長=「さが園芸生産888億円推進事業」についてお答えいたします。  この事業では「さが園芸888運動」の目標達成に向けまして、収量、品質の向上や新規就農者の確保を図るため、生産農家等に対してハード、ソフトの両面から支援を行っているところでございます。  まずハード面におきましては、具体的には、飛躍的な収量、品質の向上が見込まれる環境制御型ハウス、あるいは果樹の根域制限栽培システムなどの革新的技術の導入。次に、新規就農者の経営開始に必要なハウス施設などの整備。さらには、規模拡大や収量の向上に必要な省力化機械や装置などの導入。また、園芸ハウスの長寿命化を行うための資材の交換、補強。  次に、ソフト面におきましては、光合成に必要な炭酸ガス濃度などのハウス内環境の見える化を進めるための研修会の開催、あるいはブランドミカンの生産拡大のためのマルチ被覆の取組や研修会の開催などの経費に対して補助金を交付しているところでございます。  さらに、令和三年度からは新たに、中山間地域でのハウス施設の整備など、園芸振興を図る取組に対し、県費補助率を四〇%から五〇%へかさ上げ。また、各地区の園芸団地整備の取組を加速化するため、佐賀県農業公社による園芸団地整備や運営を支援する仕組みを創設するなど、支援の強化を図ったところでございます。  以上でございます。 49 ◯大場委員=質問通告してなかったんですけれども、その園芸団地の基盤整備についてちょっとお聞きしたいと思いますけれども、以前、中山間整備事業というようなことで圃場整備をやったことがあったんですけれども、それは多分国、県で七五%ぐらい出したんじゃないかなと思うんですね。今、お答えの中で四〇%から五〇%に上げたのかな。そういうふうに農家負担が軽減できるような策も講じてございますけれども、国の事業をもっと引き入れて、農家の個人負担が少なくなるようなメニューというものも見いだしていっていただきたいと思っているところでございますので、これは課題として、何かこれから先、そういった地域もあると聞いておりますので、農家負担が軽減できるように、国へ陳情するなりお願いしたいと思っているところでございます。  そういうことで、園芸団地の整備促進についてお伺いをいたします。  県では、新規就農者や既存農家の規模拡大などがスムーズに行われますように、本年度から佐賀県農業公社による園芸団地の整備・運営支援のための予算を措置されてございます。この園芸団地の整備については、私は産地の拡大に向けて極めて有効な手段であると考えております。  まず、農業公社による園芸団地整備のメリットについてですが、園芸団地整備を加速化するため、農業公社による園芸団地の整備・運営支援を行うこととされましたが、どのようなメリットがあるのかお聞きいたします。 50 ◯南園芸課長=それでは、農業公社による園芸団地整備のメリットについてお答えいたします。  園芸団地整備そのもののメリットといたしまして、まず、新たに農業を始める人にとっては、就農地が事前に用意されており、また、それをリース方式とすることで施設整備等に係る初期投資の負担が大幅に軽減できること。また、市町にとりましては、就農者を県内外から計画的に呼び込むことが可能となりまして、新たな雇用の場の創出、あるいは定住促進による地域活性化も期待できること。さらに、JAや産地にとりましては、部会員や生産面積が増えることで産地の強化につながることなどが挙げられるものでございます。  さらに、その園芸団地を佐賀県農業公社が整備・運営支援を行うということで、本県で唯一の農地中間保有機能を有する農業公社が農地の貸借の調整を行うことによりまして、農地の出し手、借り手が安心して契約できること。また、ハウス整備と運営の役割を分担することで市町やJAの負担が大きく軽減されること。さらには、JAの系統農家だけでなく、全ての生産農家に団地への入植を推進できることなどのメリットがございまして、園芸団地の整備を加速化できるものと考えているところでございます。  以上でございます。 51 ◯大場委員=その園芸団地の整備計画についてですけれども、農業公社による園芸団地整備計画はどのようになっておるのか。あるいはまた、新規に、例えば、山を開いてというか、山を基盤整備をして取り組もうというような、そういった計画も含めて、その整備計画がどのようになっておるのかお伺いをいたします。 52 ◯南園芸課長=それでは、園芸団地の整備計画についてお答えいたします。  現在、大町町、それから嬉野市、それから白石町、武雄市において園芸団地の整備に向け、具体的な取組が進められているところでございます。  また、ほかの地域でも、例えば、県内四カ所で設置されているトレーニングファーム修了生の就農予定地ですとか、既存農家の規模拡大に活用するため、園芸団地の整備に向けた検討が進められておるところでございます。  今、委員がおっしゃられた山を切り開いて圃場整備をやって園芸団地を作るというような取組につきましても、果樹産地、特に西松浦地域のほうの例えば梨ですとか、唐津・東松浦地域のミカンですとか、そこら辺でも市町とかJA等で検討を進めていただいているところでございますし、県のほうでもそういった場合に使える補助率が高い事業等も用意させていただいて、検討していただいているところでございます。  それから、農業公社が整備・運営支援を行う園芸団地につきましては、令和四年度以降につきましては、毎年三地区程度を計画的に整備していきたいということで考えておりまして、現在、県では各地域における園芸団地整備構想の策定に向け、助言、指導を行っているところでございます。  なお、園芸団地については特定の地域に偏ることなく、広く県内全域に整備がなされるよう取組を進めてまいります。  以上でございます。 53 ◯大場委員=力強い答弁いただきましてありがとうございます。本当によろしくお願いしたいと思います。  次に、今後の取組についてですが、「さが園芸888運動」の目標達成に向けて、県では今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 54 ◯山田農林水産部副部長=今後の取組についてお答えいたします。  「さが園芸888運動」の極めて高い目標を達成していくためには県内の関係者が志を高く持って、これまでの施策の枠にとらわれない、新しい取組にチャレンジしていくことが必要だと考えております。  こうしたことから、まず具体的な取組内容を戦略的に検討するため、私がチームリーダーとなりまして、庁内にプロジェクトチームを立ち上げ、大規模園芸団地の整備ですとか、ミカンの根域制限栽培、さらには農地の集約といった各取組ごとに責任者を定めまして、各地域と検討を進める体制をまず整備したところでございます。  また、運動を強力に進めていくためには、市町やJAなどの関係団体との連携が極めて重要であります。このため、今年の四月から六月にかけまして、農林水産部の関係課で全ての市町とJAを訪問いたしまして、市長や町長、さらにはJAの役員さんに「さが園芸888運動」の取組を強力に一緒に進めていきましょうということで要請を行ったところでございます。  さらに今年度は、市町などの関係機関・団体のみならず、生産農家を参集した決起大会、そういうものを開催するなどして、県全体で運動推進に対する機運を高めていきたいと思っております。  また、実効性のある具体的取組として、先ほど園芸課長が答弁しました園芸団地の整備のほか、例えば、共同乾燥調製施設単位でわせ水稲の収穫後から麦の播種までの期間を利用して、露地野菜を生産拡大したり、作業がしやすい水田でのミカンの根域制限栽培を普及拡大、さらには農業改良普及センターの濃密指導によりまして、例えば、販売額一億円を目指すような野菜、果樹などの大規模農家や企業的経営体の育成、こういうものに重点的に取り組んでいきたいと思っております。  なお、これらの取組を進める上では、それぞれの取組の中で、農地の集約、集積が課題となってまいります。市町やJAと連携しながら、各市町ごとに候補地を確保していくための取組、こういうものを強化するとともに、先ほど委員のほうからもありました必要な基盤整備についても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 55 ◯大場委員=大変意欲ある答弁をいただきました。本当にいい取組でございますので、この八百八十八億円という目標設定というのは、皆さん方が計算をして積み上げた数字がこの数字だろうと思いますので、その888運動の目標達成に向けた農林水産部長の決意をお聞かせ願いたいと思います。 56 ◯池田農林水産部長=部長の決意ということで申し上げたいと思います。  本県農業を将来にわたって発展させていくためには、収益性の高い園芸農業を振興していくことが極めて重要だと認識をしております。このため県では、「さが園芸888運動」を展開いたしまして、園芸産出額を向上させる取組を鋭意進めているところでございます。  この運動におきましては、繰り返しになりますが、基準年であります平成二十九年に六百二十九億円だった園芸産出額を、令和十年までに八百八十八億円まで拡大するという極めて高い目標を掲げているところでございます。  かつて本県では、園芸産出額が大きく拡大した時期がございました。具体的に申し上げますと、昭和五十五年から平成二年までの十年間におきまして、イチゴの作付拡大とか、新規品目でありますアスパラガスの産地化、あるいはハウス栽培でのミカンや梨の生産拡大などによりまして、園芸産出額が二百億円以上拡大しているところでございます。  その当時と今では現状は異なりますけれども、本県には園芸産出額を大きく伸ばすことができる素地があるというふうに考えております。  今後とも、「さが園芸888運動」の目標を必ず達成するという強い決意を持ちまして、新たな取組にも果敢にチャレンジしながら取組を強力に進めてまいる所存でございます。  以上、お答えいたします。 57 ◯大場委員=よろしくお願いします。  次の項目に移りたいと思います。佐賀の山づくりについてお伺いをいたします。  先ほど武藤委員のほうは保安林のことも申されましたけれども、私もしっかりと山づくりについての面から確認をしてまいりたいと思っておるところでございます。  森林というのは皆さん御承知のように、水源の涵養、県土の保全、地球温暖化の防止等の多面的機能を有しております。  このようなことから県内では、森林の機能を持続的に発揮する上で特に重要な森林については、国や県が森林法に基づき保安林に指定しており、県内の国有林を除く民有林面積の約三割が保安林になってございます。保安林は水源涵養などの目的に応じ、機能を十分に発揮させていく必要があり、しっかりと間伐などの管理を行い、保全されていくべきものと考えます。  また、県内の森林は、戦後の高度成長期に大量の木材が必要であったことなどから、先人が脈々と杉やヒノキを植林し、現在では人工林率約六七%と全国一となっています。  しかしながら、これまで木材価格の長期低迷、今は少し上がってきて、この木材が注目を浴びておりますけれども、そういう長期低迷があったために林業の担い手の減少等により、管理が行き届かず荒廃したり、植林した木の適地でなかったために生育が悪い状態の人工林が見られております。  私の地元である、先ほど話題になりました七山の風車のところでございますけれども、福岡県との県境付近にも地元の人から聞くと、大変貧弱な杉というか、そういったものになっておるというのを聞いております。  杉やヒノキを建築材として生産していくことはもちろん重要なことでありますけれども、森林を保全し、水源の涵養や土砂の流出防止などの多面的機能を十分に発揮していくためには、これからは杉やヒノキだけではなく、冬場に落葉し、土壌を豊かにする広葉樹を植林していくことも必要ではないかと考えているところでございます。  県では、こうした県内の森林をめぐる情勢を踏まえた上で、山全体を俯瞰しながら保安林の保全はもちろんのこと、人工林で道路が近く傾斜が緩やかなど条件のよい土地については引き続き杉やヒノキを適切に管理し、木材生産の山として育てていく。片方で、そうでないところは思い切って山全体や水源地の上流、あるいは嘉瀬川ダムとか北山ダム、ダムの周辺などについては広葉樹の山に変えるなど、森林をデザインしていく必要があると、そういったものを進めていくべきではないかと考えておるところでございます。  そのためには、伐採跡地に植林する場合、補助金や県の森林環境税などを活用しながら、例えば、唐津くんちで曳山の台車に利用されておりますけれども、アカガシというのは九州では一本もないそうなんです。今、曳山の台車で七本くらい、日田から持ってきて保管をしておるような状況でございまして、数百年かけて育成していった、秋になると紅葉が美しいナナカマドやモミジを植えて景観づくりを行ったり、あるいは奥山に実のなる木も植えて、ドングリとか栗ですね、猿やイノシシの鳥獣被害の軽減につなげていくなど、様々な山づくりを進める必要があると思いまして、質問を作ってきました。
     まず、保安林の制度についてお伺いしようと思いましたけれども、先ほど武藤委員がこのことにつきましては非常に詳しくお聞きされました。指定の意義というようなものも話されましたけれども、そもそも指定する意義とは何なのかお答えをお願いします。 58 ◯吉良森林整備課長=保安林の指定の意義についてお答えさせていただきます。  先ほど武藤委員の答弁とも重複する部分がございますけれども、保安林につきましては、森林法に基づきまして、十七種類の指定をやっているわけでございますけれども、先ほども申しましたとおり、全ての保安林は恒久的に森林として維持保全していくために、立木の伐採や土地の形質の変更などの行為を制限しております。そういった適切に管理していくことが必要な森林というふうに認識をしているところでございます。  以上でございます。 59 ◯大場委員=そういう指定をされてございますけれども、県内での指定面積についてはどのようになっておるのか、もう一度お願いします。 60 ◯吉良森林整備課長=県内の保安林の指定状況についてお答えいたします。  県内の保安林につきましては、全体では十七種類ありますけれども、そのうち十二種類を指定してございまして、延べ約三万三千六百ヘクタールが指定されております。保安林指定の重複を除きますと、二万七千九百ヘクタールとなっているところでございます。そのうち大臣指定の水源涵養保安林が二万三千二百ヘクタールということで、約七割が水源涵養保安林となってございます。そのほか土砂流出防備保安林等につきましては、七千二百ヘクタールでございまして、保安林の二割を占めているところでございます。こういった大臣指定の保安林が保安林全体の九〇%となってございます。  また、知事指定の保安林につきましては、保健保安林、それから防風・潮害防備保安林などが指定されておりまして、県内の保安林の全体の一〇%となっているところでございます。  以上でございます。 61 ◯大場委員=保安林の維持管理についてお伺いしますけれども、この保安林の機能を高度に発揮させるために県ではどのように維持管理を行っておるのかお伺いいたします。 62 ◯吉良森林整備課長=保安林の維持管理についてお答えさせていただきます。  まず、国及び県指定の保安林につきましては、県が森林法に基づきまして、保安林台帳というものを整備してございます。この保安林台帳におきましては、保安林の指定時に定めました指定施業要件、これは先ほど申しましたが、最低限守らなければならない森林の取扱方法でございますけれども、そういった方法に基づきまして、森林所有者に対しまして、そのルールを遵守していただくよう指導しているところでございます。  指定施業要件の具体的な内容につきましては、一年間に伐採できる面積の上限、これは年四回公表してございます。また、全ての立木を伐採する皆伐や抜き切りをする択伐などの伐採の方法、それから、伐採跡地への植栽樹種やその本数などを定めておりますので、こういったところで指導を行っているところでございます。  以上でございます。 63 ◯大場委員=先ほど保安林における制限等につきましては、武藤委員さんが聞かれたので、これは飛ばしたいと思いますけれども、保安林を持ってある所有者の皆さん方は、保安林に指定されとっけんが間伐もでけんとばいというような勘違いをされているように私は思うんですね。  ですから、所有者には、保安林はきちんと管理していくようにという正しい保安林の制度そのものを理解していただく必要があると思います。  そうやって針広混交林とか、あるいは広葉樹を植えるとか、そういった山全体を、保安林だからやりやすいんじゃなかろうかと思いますけれども、県ではどのように周知に取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 64 ◯吉良森林整備課長=森林所有者への保安林制度の周知についてお答えさせていただきます。  保安林に指定されますと行為の制限がかかりますことから、県や市町の職員が森林所有者に対しまして、パンフレットなどにより制度の概要や指定施業要件等について丁寧に説明を行っているところでございます。  また、国の保安林制度の改正によりまして、指定施業要件の見直し、これは緩和の方向でございますけれども、そういったものがあった場合には、森林所有者等に改めて制度の概要や指定施業要件の見直し内容などを記載しましたチラシを郵送により通知しているところでございます。  しかしながら、委員御指摘のとおり、森林所有者の中には制度を十分に理解されなかったり、間伐などの手入れができないと誤解されている方もおられると認識をしているところでございます。  このため県では、新たにですけれども、県のホームページにおいて、保安林制度を分かりやすくお知らせするページの開設も考えていきたいと思ってございます。また、保安林の指定や指定施業要件の見直しを行った旨の通知をこれからもするわけでございますけれども、さらに保安林制度を分かりやすくお知らせするチラシ等を作成いたしまして、配布などを行っていきたいと思います。  これまで以上に森林所有者に対しまして丁寧な説明を行い、制度の周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 65 ◯大場委員=保安林につきましては、やっぱり県としてきちっとした指針といいますか、姿勢をもって臨んでいただいて、そして、有効に活用してほしいと望んでおりますので、よろしくお願いをいたします。  また、二番目の広葉樹による山づくりについてお伺いをしてまいります。  県内における樹種別面積についてであります。  県内の森林はどのような樹種で構成され、その割合はどのようになっているのかお伺いをいたします。 66 ◯吉良森林整備課長=県内における樹種別の森林面積についてお答えさせていただきます。  県内の国有林を除きました民有林面積でございますけれども、約九万四千五百ヘクタールとなってございます。  そのうちの樹種ごとの内訳につきましては、杉やヒノキ、松など、これを針葉樹と呼びますけれども、約六万二千二百ヘクタールとなってございまして、全体の森林の六六%を占めてございます。  また、シイタケ栽培に利用されますクヌギやその他の広葉樹が約二万三千八百ヘクタールでございまして、全体の二五%を占めております。  そのほか、森林の中には草原などの未立木地がございますので、そういったものが八千五百ヘクタールで九%となっているところでございます。  以上でございます。 67 ◯大場委員=本当によく手入れができておるというものがうかがわれるような数字でございます。  それでは、県内における森林の伐採量と伐採後の植林についてであります。  県内の森林の伐採面積は、森林の開発に係る伐採を除き、最近の五年間でどのようになっているのか。また、伐採後に植林される樹種はどのようなものがあり、樹種別の割合はどのようになっておるのかお伺いをいたします。 68 ◯吉良森林整備課長=県内における森林の伐採量と伐採後の植林についてお答えさせていただきます。  まず、県内における伐採面積につきましては、森林法に基づく保安林の伐採許可、また、保安林以外の森林の伐採届出という制度がございまして、そちらによりますと、平成二十七年度から令和元年度までの五年間の平均で年間約百四十ヘクタールが伐採をされております。  このうち、太陽光発電施設の設置など森林の開発に係る伐採面積を除きますと、年間約百二十ヘクタールとなってございます。  また、伐採後の植林につきましては、過去五年間の造林事業、これは補助事業でございますけれども、そちらなどの実績によりますと、樹種ごとの割合で、杉やヒノキの針葉樹が五八%、クヌギやヤマザクラなどの広葉樹が四二%となっているところでございます。  以上でございます。 69 ◯大場委員=昨日、林業試験場で新品種の杉を見まして、あれを植えていただいて、まさにまたきれいな山ができるようなことを期待しておりますけれども、まあまあ広葉樹も植えてあると感じました。  山づくりの基本的な考え方と今後の取組についてお伺いをしてまいります。  森林の伐採後の植林は、保安林や県が区域を定めるなどして広葉樹の植栽を推進しながら山づくりを進めていくべきと思いますが、今後県では、どのような考え方でどのように取り組まれていくのかお伺いをいたします。 70 ◯吉良森林整備課長=山づくりの基本的な考え方と今後の取組についてお答えさせていただきます。  県におきましては、「佐賀県総合計画二〇一九」に基づきまして、森林の持つ水源の涵養や二酸化炭素の吸収、美しい景観を形成するなどの多面的機能を発揮するために、管理が行き届いていない人工林の間伐、あるいは杉やヒノキの生育に適していない人工林を強度に間伐し、針葉樹と広葉樹が混じった針広混交林への誘導、針葉樹から広葉樹への植え替えなどによりまして、多様な森林(もり)・緑づくりを推進しているところでございます。  さらに、平成二十九年度からは、森、川、海のつながりを意識いたしまして、豊かな自然を未来へつなげる「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」を展開してございます。  特に令和二年度からは、県立の二十一世紀県民の森におきまして、企業・団体と県が「森川海人(もりかわかいと)っ協定」を締結いたしまして、企業・団体が主体となった山づくりなどを行っておりまして、この県民の森では徐々に針葉樹から広葉樹への誘導を行っているところでございます。  このような取組に加えまして、今後は先ほどから出ております保安林の指定区域や、また、県が荒廃した森林を整備するために二十カ所の環境林を設定してございます。  こういったところにおきまして、森林所有者の意向は確認しながらとなりますけれども、木材の生産や景観などに配慮しながら、また、地形や地理的条件に応じて広葉樹の植栽を進めていきたいと考えているところでございます。  今後とも、市町や企業・団体、森林ボランティア等と連携いたしながら、県民協働で多様な佐賀の山づくりを推進していく所存でございます。  以上でございます。 71 ◯大場委員=佐賀の山づくり、長い目標ですけれども、やっぱりあのとき、こうやって森林を整備してよかったと言われるような山づくり、そして、我が佐賀県には、県土の四五%がたしか山だったと思いますけれども、そのうち七〇%以上、手が入っているような山でございまして、山を大切にしながら水源の涵養とか、下までの水田が末永く続くような、そういった山づくりをお願いして、この質問を終わります。  次に問三、カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー分野の取組についてお伺いをいたします。  令和二年十月二十六日に招集された臨時国会の所信表明演説において、菅総理は、二〇五〇年までに実質的に温室効果ガスの排出をゼロとする、いわゆるカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言されました。  また、今年四月二十二日には地球温暖化対策推進本部において、二〇五〇年目標に整合的で野心的な目標として、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指すことが表明されました。  温室効果ガスは、その約九割がエネルギー利用に由来する二酸化炭素、いわゆるエネルギー起源CO2であるとされており、温室効果ガスの排出を削減するためにはエネルギー分野の取組が最も重要になるものと考えています。  現在、産業活動においては、重油やLPガスなど工業製品の生産に使用され、ガソリンや軽油など輸送機械や農業機械の燃料として使用されており、県内産業はCO2を排出する化石資源によって支えられているという実態がございます。  こうした中、トヨタ自動車やホンダが一次下請の取引先など主要な部品メーカーにCO2排出量の削減を要請し始めたとの記事が新聞に掲載されました。こうした動きは、今後広がっていくことが予想されます。  本県の産業競争力を維持していくために、どうやってカーボンニュートラルを実現するのか、大きな課題であると考えております。  そこで、国が表明した二〇五〇年カーボンニュートラルや、二〇三〇年温室効果ガス四六%削減目標について、県としてはどのように受け止めて、どのように取り組んでいくのか、方針を伺ってまいります。  まず、県内におけるCO2排出量についてであります。  温室効果ガス排出削減の基準年である二〇一三年度に県内ではどのぐらいの温室効果ガスを排出しているのか。そのうち、エネルギー消費に伴って排出されたCO2の割合はどのくらいを占めているのかお伺いをいたします。 72 ◯大野新エネルギー産業課長=県内における基準年の二〇一三年時点のCO2排出量につきましてお答えをいたします。  温室効果ガス排出削減の基準年でございます二〇一三年度におきましては、本県の温室効果ガス総排出量、これは県の調べによりますけれども、CO2換算で約七百五十万六千トンとなってございます。  このうち、エネルギー消費に伴って排出されるCO2には、火力発電で排出されるCO2でありますとか、自動車、船舶、トラクターなどを動かす際に排出されるCO2、それから、工場や施設園芸、家庭での煮炊きとか給湯とか、こういったもので熱を得る際に排出されるCO2がございまして、温室効果ガス総排出量の約九割をエネルギー消費のCO2が占めてございます。  以上です。 73 ◯大場委員=次に、県内で消費されているエネルギーの内訳についてでございますけれども、県民の日常生活や県内企業の事業活動で様々なエネルギーが使われていると思いますけれども、エネルギーの種類ごとの割合はどのようになっているのかお伺いいたします。 74 ◯大野新エネルギー産業課長=県内で消費されているエネルギーの内訳につきましてお答えをいたします。  経済産業省資源エネルギー庁が公表しております都道府県別エネルギー消費統計によりますと、二〇一三年度時点で割合の大きいものから、これは小数点以下を四捨五入して割合を発表させていただきますと、電力、これは電力会社から購入する電力で、自家発電は含まれませんが、それが四〇%、それから石油製品──石油製品というのは、重油とか軽油、灯油とかガソリン等々でございますけれども、これが三九%、天然ガス及び都市ガスが一〇%、石炭及び石炭製品が八%、その他が四%というふうになってございます。  このうち、石油製品、天然ガス、石炭などの化石燃料を直接燃焼している部分がエネルギーの約六割を占めてございます。  以上です。 75 ◯大場委員=本当に、何か多いなというのを実感いたしますし、大変なことに向かって、地球温暖化対策に取り組んでいかなければいかんなと思いますけれども、カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー分野の取組についてお伺いをいたします。  カーボンニュートラルの実現に向けては、県内で消費されているエネルギーの種類ごとに方針を明確にし、適切に取り組んでいく必要があると思います。  県は、どのような方針で、どのような考え方で取り組んでいこうと考えてあるのかお伺いいたします。 76 ◯大野新エネルギー産業課長=カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー分野の取組につきましてお答えいたします。  カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー分野の取組といたしましては、第一に、発電の方法を再生可能エネルギーなどのCO2を排出しない方法に置き換えていくことが必要かと思っております。  第二に、先ほど化石燃料の話もさせていただきましたけれども、化石燃料を直接燃やして得ているエネルギーを可能な限り電力に置き換えていくこと、これが必要かと思っております。  さらに第三に、電力に置き換えることがどうしても難しい化石燃料というのがございますけれども、これにつきましてはCO2を排出しない方法で製造されました水素や、そうした水素を用いて合成されるアンモニアやメタンなどの燃料に置き換えていくことが必要と考えております。  なお国は、CO2を排出しない方法で製造された水素のことをクリーン水素というふうに最近呼ぶようになっております。  県では、発電の方法を再生可能エネルギーに置き換えていくことにつきましては、洋上風力発電事業の誘致でありますとか、吉野ヶ里町松隈地区で現在実証中の小水力発電事業モデルの導入拡大などに取り組んでいるところでございます。  また、電力に置き換えることが難しい化石燃料のエネルギー利用につきましては、クリーン水素などに置き換えていくことが必要と先ほど申し上げたところではございますけれども、令和三年六月十八日に閣議決定がなされました「二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」によりますと、グリーン水素の年間の供給量、これは目標値でございますけれども、二〇五〇年に二千万トン以上を目指すとされているのに対しまして、二〇三〇年の目標は四十二万トンと非常に少ない状態でございますので、二〇三〇年度時点では化石燃料をクリーン水素に置き換えることは難しいというふうに考えてございます。  このため県では、化石燃料の消費削減に向けまして、地中熱の空調利用など再生可能エネルギーの電力以外の用途開発に取り組むとともに、化石燃料がクリーン水素に置き換わるまでの過渡期の取組といたしまして、石炭や重油と比較いたしましてCO2の排出量が少ない天然ガスや液化石油ガスへの転換について検討を進めているところでございます。  県といたしましては、国におきまして現在、見直し作業が行われておりますエネルギー基本計画の検討状況を注視しながら、再生可能エネルギーを中心とした社会の構築に向けた取組を通じまして、カーボンニュートラルの実現に貢献できるよう、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  先ほどクリーン水素と呼ぶべきところをグリーン水素と言ってしまったところがあったようでございますけれども、すみません、クリーン水素、水素でもいろいろ呼び名がございまして、世界的にはグリーン水素とかブルー水素という呼び方があるんですけど、国はCO2を排出しないものをクリーン水素と呼んでおります。グリーン水素というのは、そもそも再生可能エネルギー資源を使ってつくるものを世界的にはグリーン水素、それからCO2を出すんですけれども、出てきたCO2をキャッチして地層に処分したような水素のことをブルー水素とかいう言い方、私自身も今混在して申し訳ありませんが、国はそういったものを総称してクリーン水素というふうに呼んでおります。先ほどグリーンと呼んだところはクリーンの間違いでございますので、おわびして訂正させていただきます。  以上です。 77 ◯大場委員=大変難しい問題ですけれども、やっぱりできることからやっていかんといかぬと思います。  唐津市の問いのほうに入りますけれども、唐津市沖で再生可能エネルギー、洋上風力発電事業を計画されておりまして、その誘致についてお伺いをしてまいりたいと思います。  再生可能エネルギーの主力電源化に向け、国は洋上風力発電に期待していることから、二〇四〇年までに三千万キロワットから四千五百万キロワットの案件を形成するという導入目標が示されているところでございます。これは風車一基を十メガワットと仮定した場合、全部で三千基から四千五百基という大変大きな規模の目標になっています。  佐賀県においても、唐津市沖での洋上風力発電事業の誘致に向け、候補海域の検討が進められております。まず、四海域を抽出した後、令和元年度に馬渡島周辺及び玄海町北西の二海域を優先して検討を進める海域として、住民説明会や漁業者への説明会が実施されたところでございます。  このような中、令和二年度に地元の唐津市議会や唐津市長等から残りの小川島東及び神集島東の二海域についても、西側の二海域と同様に優先度を上げて検討するよう知事に要望がされてあります。  このように洋上風力発電事業誘致への推進の声が上がると同時に、景観への影響の懸念や、一部の漁業者からは漁業への影響について強い懸念が示されているとも聞いております。  私は、カーボンニュートラルの実現に向けては、佐賀県においても洋上風力発電事業の誘致に取り組んでいかざるを得ないと思います。誘致を進めるに当たっては、地元住民や直接利害が関係する漁業者等に対し、その必要性やメリット、デメリットについてもしっかりと説明をしていくとともに、様々な意見を聞き取った上で国に対しては適切な計画となるよう、聞き取った意見を整理して遺漏なく主張すべきと考えておるところでございます。  そこで、何点か質問をしていきたいと思います。  洋上風力発電事業の誘致に対する県民からの声についてであります。  これまで地元自治体や住民などからどのような意見が寄せられておるのかお聞かせください。 78 ◯大野新エネルギー産業課長=洋上風力発電事業誘致につきまして県民から頂戴しております声につきましてお答えいたします。  地元の自治体や県民との意見交換を通じまして、様々な御意見を頂戴しておりますけれども、具体的に例を挙げさせていただきますと、例えば、風車や海底ケーブルが設置されることで、漁がこれまでのようにはできなくなるのではないかというような漁業への影響を御心配されるお声、それから、風車が建つ──風車というのは、人によりましてかえって景観がよくなると考える方もおられれば、逆に人工物は全てお嫌いというふうにお考えの方もおられますので、人によっては景観が非常に悪くなるということを御心配される方がおられるということの意見を頂戴しております。  それからもう一つ、比較的多いのが、やはり東松浦半島のほうで風車が何本かございますけれども、燃えたりとかいうような事例もございまして、それで台風も非常に強い地域でもございますので、台風などで風車が倒壊するのではないかといったような御懸念の声が示されております一方で、風車の海中部が漁礁効果というものが期待できるというような声でありますとか、作業員や資材の海上輸送や、海難事故防止のための警戒船の運航など、洋上でこれまでにない新しい仕事、雇用が生まれるのではないかというような御期待の声も寄せられているところでございます。
     以上です。 79 ◯大場委員=景観については、あそこは玄海国定公園のところでございますので、そこら辺は配慮をお願いしたいと思っておるところでございますけれども、私自身はあまり好きじゃない、好きじゃないんだけれども、カーボンニュートラル、大きな目標に向かっていかないかんと思っておりますので、どうかそういったことを踏まえながら進めていっていただきたいと思っておるところでございます。  この洋上風力発電事業誘致による経済波及効果についてお伺いをいたします。  洋上風力発電は部品点数が多いことなどから、大きな経済波及効果が期待されておると聞いております。具体的にどのような分野にどれくらい効果が期待できるのかお伺いをいたします。 80 ◯大野新エネルギー産業課長=洋上風力発電事業誘致による経済波及効果につきましてお答えいたします。  昨年度、県では風車一本につきまして、先ほど委員からも御紹介いただきました十メガワット、これは一万キロワットになりますけれども、それが三十五基設置されるという想定で、こうした洋上風力発電事業が唐津市沖に実施される場合を想定いたしまして、さらに事業終了後には風車を全て撤去されるという前提で、風車の建設から運営・メンテナンス、そして撤去までの県内経済への波及効果というのを試算しております。  試算に際しましては、関連する県内産業の育成がうまくいかなかった場合でも事業費の五%程度は県内に発注されると仮定をいたしまして、これを低位シナリオといたしまして、それから、先ほどの事業費の一〇%が発注される程度まで県内産業が育成できた場合、これを中位シナリオといたしまして、最大限に育成できた場合は三〇%程度が県内に発注されると仮定いたしまして、これを高位シナリオと位置づけまして、それぞれ低位、中位、高位シナリオのシナリオ別に分析して試算をさせていただいているところでございます。  県内企業の参画可能性のある分野といたしましては、建設段階では潜水作業などの洋上工事、それから変電所建設などの陸上の建設・土木工事などがございまして、運営・メンテナンス段階では風車の点検、それから点検した結果で、交換が必要な部品についての部品の交換業務であったりとか、潜水士によります風車の基礎部分であるとかケーブルを埋めたところなどの目視点検などの業務が発生すると考えておりまして、撤去段階では、解体作業、個々具体的に解体していきますので、そこでの作業などがございまして、これを全ての段階を通じまして、洋上で実施される作業でございますので、輸送船とか警戒船の運航業務、要するに船を操船する業務というのが発生するというふうに考えております。  こうしたどんな参画可能性のある分野があるかというのは、分析等を踏まえまして試算した結果として、風車等の建設から撤去までの総事業費は約三千六百億円と仮定しておりまして、その場合の県内経済の波及効果は、建設から運営、撤去までの合計で、低位シナリオ、要するに五%程度発注されるような場合で三百四十億円、中位シナリオ一〇%程度の場合で七百五十億円、高位シナリオ三〇%程度発注される場合で二千百三十九億円と試算をしております。  これは合計で申しておりますので、ちょっとぴんときづらいところがございますので、ちょっと乱暴ではございますけれども、中位シナリオの場合で、イメージとしてですけれども、これは大ざっぱに平均いたしますと、年間に二十億円程度の経済波及効果が、いわゆる東松浦半島の周辺にあるというふうに考えているところでございます。  以上です。 81 ◯大場委員=そういったことも地元の皆さん方には説明していただければと思います。  次に、洋上風力発電施設の耐久性及び撤去についてであります。  これは建ちもしとらんとに撤去についてということを言うのはいかがかと思いますけれども、たしか七ツ釜沖ぐらいやったですか、洋上風力発電の試験を設置しましたけれども、それが風で、潮流関係もありまして、沈んでしまったんですね。そのとき一年以上ぐらい放置されておったような感じがするんですね。海底にそれがあると、やっぱりどうしても注意をしなきゃならない、あるいは漁にも航行にも影響があるというようなことでございますので、やっぱり撤去まで、建てて撤去まではきちんとしていかなきゃいかんと、そういう思いを込めてこの質問を起こしておるんですけれども、玄界灘というのは風が大変荒いところでございまして、風力発電設備が長期間にわたり耐えられるのか、また発電事務所の経営が破綻した際の設備の撤去はどのようになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。 82 ◯大野新エネルギー産業課長=洋上風力発電設備の耐久性や撤去につきましてお答えいたします。  洋上風力発電設備は、電気事業法等で定められました技術基準によりまして、台風や波の力などに耐えられる構造であることが求められておりますことから、十分な耐久性を有して建設されるものと考えております。  また、十分な耐久性を維持するためには当然メンテナンスというものが重要になると思っておりますけれども、運営段階では唐津市内の港にメンテナンスの拠点が整備されまして、二十四時間体制で遠隔監視され、故障などに対して速やかに対応できる体制が取られることになるんじゃないかなというふうに考えております。  重要な設備の撤去につきましては、国が再エネ海域利用法に基づいて、示しております一般海域における占用公募制度の運用指針におきまして、「占用許可期間の終了後又は公募占用許可計画の提出者──この提出者というのは、つまり、採択後、発電事業者というふうになりますけれども──(発電事業者)が経営破綻した場合に備えて撤去方法や撤去費用の確保に関する方法を示すこと」というふうになっておりまして、発電事業者は事業の段階から撤去費用を積み立てるなど、計画的に撤去費用等を確保して実施することになっております。  さらに、再エネ海域利用法第二十四条第三項に、「当該工作物等の撤去等を命ずべき者を確知することができないときは、国土交通大臣は、当該工作物等の撤去等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。」と規定されておりまして、事業者が破綻したような場合、最終的には国が撤去するというふうになっております。  以上です。 83 ◯大場委員=そこのところはちゃんと確認して事業を進めていただきたいと思います。  今後の進め方についてであります。  県としては、地元住民や漁業関係者、県外の関係者などに今後どのように説明していくつもりなのか、また聞き取った意見について国に対してどのように伝えていかれる予定なのかお伺いをいたします。 84 ◯大野新エネルギー産業課長=今後の説明や聞き取った意見をどのようにしていくのかということにつきましてお答えをいたします。  洋上風力発電事業の誘致に対しましては、地元住民等から懸念も示されていることから、まず唐津市等と緊密に連携をいたしまして、地元の住民や漁業関係者などを対象とした説明会を開催いたしまして、まずは丁寧に説明を行うことが必要だと思っておりまして、説明をさせていただきながら、様々な御意見をしっかりと伺っていきたいというふうに考えております。  また、隣接するエリアの関係者に対する説明も重要でありますので、福岡県や長崎県にも相談をしながら、丁寧に説明を行うようにしていきたいというふうに考えております。  再エネ海域利用法では、洋上風力発電事業の開発について、検討を進める海域を対象に国が法定協議会を設置し、開発を認めることの是非や認める場合の条件につきまして協議するというふうにされております。その協議の結果としまして、開発を認めることとなった場合は、国はその海域を促進区域と指定いたしまして、協議内容を踏まえて開発条件を定めまして、発電事業者を公募し選定していくことというふうになっております。  そのため、法定協議会での協議が非常に重要になっているというふうに考えておりまして、県としては説明会等を通じて把握した御意見を、法定協議会が設置された場合のことでございますけれども、国や法定協議会へ確実につなぎまして、洋上風力発電事業に対する地元の御期待や御意見を踏まえた議論が十分に行われるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。 85 ◯大場委員=その法定協議会の設置に向けてですけれども、やっぱりこういう事業というのは、地元の総意と熱意、地元からこういうものを持ってきてほしい、こういう事業を推進してほしいというような熱意、そういうものが必要でございまして、それをするためにも唐津市に積極的な取組というものが何よりも必要であろうと思います。県と市が強力に連携して進めるべきと思いますけれども、これについて何かコメントがございましたらお願いします。 86 ◯大野新エネルギー産業課長=委員の御指摘のとおり、地元の熱意というものは大変重要だと思っておりまして、特に唐津市におきましては、市長様や議会のほうからも要望を頂戴しておりまして、十分熱意はおありだと思いますけれども、それが皆様に伝わるように、まずは県と市がしっかりと連携いたしまして、丁寧に丁寧に説明をさせていただくことが重要だと思っておりますので、皆様の理解が得られますように、しっかり唐津市と連携いたしまして進めていきたいというふうに考えております。  以上です。 87 ◯大場委員=時間も十二時近くになっておりますので、最後の質問までよろしいでしょうか、お願いします。  問五、新産業集積エリア唐津への企業誘致についてお伺いをいたします。  佐賀県が今後とも発展していくためには、地元の高校を卒業した若者たちの県外流出を防ぎ、県内就職を増やしていくことがとても重要であると考えます。企業誘致は若者を中心とした新たな雇用の場を創出するために有効な手段であり、積極的に優良企業等の誘致を推進していただきたいと考えておるところでございます。  次の点についてお伺いをしてまいります。  県内の産業団地の整備状況についてであります。  県内においては企業の受皿として、新産業集積エリア唐津をはじめ、産業団地の整備が進められておりますけれども、県内の産業団地の整備状況は、計画も含めてどのようになっておるのかお伺いをいたします。 88 ◯大久保企業立地課長=県内の産業団地整備状況についてお答えいたします。  現在、分譲中の産業団地は、県営の七ツ島工業団地及び鳥栖北部丘陵新都市、県と市町との共同開発による新産業集積エリア唐津、市町営の伊万里東部工業団地及び唐津石志工業団地の計五団地であり、有効面積で合計三十・七ヘクタールとなっております。  また、現在、県や市町において造成中、または計画中の産業団地は、県営で計画している佐賀コロニー跡地及び吉野ヶ里町内の用地。市町を事業主体に、県と市町が共同で開発を行っている新産業集積エリア鳥栖、新産業集積エリア唐津の第二期、新産業集積エリア有田。県が支援を行い、市町が整備を進めている佐賀大和インター工業団地、新武雄工業団地、東脊振インター工業団地の計八団地であり、有効面積で合計約百三ヘクタールを予定しているところでございます。  以上でございます。 89 ◯大場委員=それぞれ団地計画ございますけれども、企業誘致についても積極的に取り組んでいただき、こういう事業が円滑に進むようにお願いをしたいと思いますけれども、県北部地域における新たな産業団地の整備について、ちょっと提言なり、お聞かせを願いたいと思います。西九州自動車道が整備されていく中、福岡からのアクセスが向上して、西九州自動車道の沿線を中心に住宅の開発が進んでおるところでございます。特に唐津インター、あるいは浜玉インターの周辺は新興住宅がだんだん張りつきまして、我が地元の鏡山小学校の生徒数、今や九百六十人、もうちょっとで千人になるところでございます。だんだん発展していっているんだなというものを感じております。  こういった状況の中で、県北部地域に新産業集積エリア唐津のほか、西九州自動車道の沿線の周辺に産業用地を整備することで企業の進出が期待できるのではないかと考えておりますけれども、県としてはどのように考えてあるのかお伺いをいたします。 90 ◯大久保企業立地課長=県北部地域における新たな産業団地の整備についてお答えいたします。  西九州自動車道の整備によりまして、県北部地域の利便性が高まっていると感じております。まずは造成済み、用地取得済みの新産業集積エリア唐津への誘致を実現することが最優先となりますが、今後、次なる産業団地についても考えていく時期が来ると考えております。  産業団地を整備する場所、造成費用や分譲価格、企業のニーズや動向など、開発に当たっての課題の整理や民間による開発促進手法など、今後研究をしていきたいと考えております。  以上でございます。 91 ◯大場委員=このことにつきましてはこれ以上申しませんけれども、本当に亡くなった桃崎議長と、このことについて一生懸命私たちは熱い議論をしておったところでございまして、研究をしていただいて、開発に向けて、その努力もつながるようにお願いして、若い人たちが残るようなことをやっぱり考えていかんばいかんと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  三番目、新産業集積エリア唐津の現状についてであります。  現在分譲中の新産業集積エリア唐津については、分譲面積が広く、地盤が強固などの利点があり、大型の企業誘致も期待されているところでございますけれども、まだ企業誘致が実現できていない状況にございます。新産業集積エリア唐津への企業誘致についてどのような状況にあるのかお伺いをいたします。 92 ◯大久保企業立地課長=新産業集積エリア唐津の現状についてお答えいたします。  新産業集積エリア唐津は、まとまった面積の用地を求める企業さんに応えることができる貴重な企業誘致の受皿となっております。また、企業はBCP、事業継続計画対策として自然災害等の少ない用地を求められることが多いのですが、新産業集積エリア唐津は地震の発生リスクは少なく、地盤も固く、さらに高台になり、浸水のリスクも少ないことから、BCPの観点から評価される方が多い産業団地となっております。  これまで自動車関連企業や化粧品関連企業などを中心に引き合いがあっております。進出の候補先として、昨年度はちょっと新型コロナにより少なかったものの、年に複数社の企業さんに現地視察を行ってきてもらっているところでございます。  企業においては、必要な面積、取引先とのアクセス、用地や電力などのインフラ、補助制度などの支援、良質な人材確保など、諸要件をもとに他県を含む複数の候補地と比較検討しながら立地場所を選定されますけれども、新産業集積エリア唐津につきましては、これまで企業それぞれの要因により、評価されつつも、結果として成約まで結びつけることができない状況でございます。  以上、お答えいたします。 93 ◯大場委員=結果として企業誘致ができていないというようなことだったんですけれども、やっぱり誘致に向けて今後の取組を強化していただいて、県北部地域における雇用の場を創出していくために、まず分譲中の新産業集積エリア唐津への企業誘致を早期に実現していただきたいと思っておるところでございます。  そこで、実現するため、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 94 ◯大久保企業立地課長=新産業集積エリア唐津への企業誘致に向けた取組についてお答えいたします。  新産業集積エリア唐津は、面積の広さやBCP対策上の利点のほかに、北には西九州自動車道、南には長崎自動車道があり、厳木バイパスの浪瀬インターに近接しているなど、交通アクセスに優れた産業団地となっております。  また、企業が進出するに当たっては人材の確保が大きな判断材料となっておりますが、県北部地域に進出した製造業の企業さんからは、地元愛が強く、地元就職を希望する優秀な人材が確保できていると高く評価いただいており、こうした人材の点も強みと考えております。  新産業集積エリア唐津への企業誘致に当たっては、今後ともそうした強みをしっかりアピールしていきたいと考えております。また、そのための広報活動や企業への営業活動もしっかりやっていきたいと考えております。  今年度は、新産業集積エリア唐津への誘致に向けて、ビジネス誌をはじめとする広告掲載による企業経営者層向けに行うPR、製造業を中心とする企業が集まる展示会への出展、対面とウェブの両方を使った企業への誘致活動など、アンテナを高く情報を集めながら積極的な誘致活動を展開することとしております。  こうした取組を通じて、早期に新産業集積エリア唐津への誘致を実現し、若者を中心とした雇用の場の創出、地域経済の活性化を図っていきたいと考えております。  以上、お答えいたします。 95 ◯大場委員=最後に、企業立地総括監の思いについてお伺いをいたします。  私たちも期待をしておる新産業集積エリアでございますので、企業立地総括監の思いについてお伺いをいたします。 96 ◯原企業立地総括監=私は企業立地総括監を兼務してございますが、その企業立地総括監としての新産業集積エリア唐津への企業誘致に対します思い、決意につきましてお答えいたします。  新産業集積エリア唐津への企業誘致につきましては、企業誘致施策の中でも喫緊の課題であると認識しているところでございます。このため、企業立地課、首都圏事務所、関西・中京事務所の企業誘致担当職員によりまして、このエリアへの誘致活動を重点的に行います特任チームを設置いたしまして、私がそのリーダーとして、首都圏や関西・中京地区の企業を中心に企業誘致活動に取り組んでいるところでございます。  人口減少社会の中で地方創生を進めていくためには、若者を中心とした県外への流出を防ぎ、地元に定着させることや県外から戻ってくる若者や子育て世代を増やしていくことが県政の大きな課題の一つとなってございますが、この課題を解決するためには地域に魅力ある企業を増やしていくことが重要であり、新産業集積エリア唐津はその受皿として大きなポテンシャルを有していると考えております。  特にこのエリアには、先ほど企業立地課長も御答弁申し上げましたとおり、地震、水害の発生リスクが少ないといったBCP対策上の強みや高速道路インターチェンジに近いなど、交通アクセス上の強み、そういったものがあると考えております。こういった強みを十分にアピールしながら、地元唐津市とともにこれまで以上に積極的、効果的な誘致活動を展開しまして、できるだけ早く新産業集積エリア唐津への誘致を実現するよう全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 97 ◯川崎委員長=暫時休憩します。十三時十分をめどに委員会を再開いたします。     午後零時九分 休憩     午後一時十分 開議 98 ◯川崎委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 99 ◯野田委員=改めまして皆さんこんにちは。県民ネットワークの野田でございます。  ただいま委員長より質問の許可を頂戴いたしましたので、本日三件の質問をさせていただきます。  まず、私の地元多久市です。多久市の中央部分からぐるりと多久を眺めてみますと、全てが山です。多久市はまさに隕石を落としたような状況、そういった感じで、いわゆる盆地と山に囲まれております。  そういったことから、資源、イノシシ、そして中山間という問題を抱えているところであります。  それでは、早速イノシシの捕獲対策についてから始めさせていただきます。  有害鳥獣による農作物への被害は、中山間地域を中心に発生しており、特にイノシシによる被害については、県内農作物被害額の約六割を占め、中山間地域における重要な作物である水稲や果樹への食害などにより、農家の経営に影響を及ぼすとともに、営農意欲の減退にもつながっていると生産者から伺ったことがあります。また、住宅街や市街地での出没をニュースなどで耳にし、社会問題となっているところでもあります。  野生動物は本来、鳥獣保護管理法の下で都道府県が鳥獣の数や生息域を管理してきました。しかし、イノシシ、あるいは鹿など、生息数と生息域の範囲が全国的に増大し、農産物被害、住宅街や市街地での出没による事故、そして生態系の改変の深刻さが全国的な問題となってまいりました。  こうしたことを背景に、二〇一四年、鳥獣保護管理法の改正が行われ、指定管理鳥獣捕獲事業が始まり、後の二〇一九年、県ではなく被害現場に即した対応ができる市町村などによる鳥獣被害防止計画をその地域の協議会が策定して、捕獲を行うことができる鳥獣被害防止特措法が施行されており、有害鳥獣駆除として猟友会を中心に捕獲活動がされているところであります。  イノシシ捕獲は、狩猟という趣味の世界から駆除という許可捕獲へ変わり、報償金制度が設けられています。実行主体も県から市町へ変わってまいりました。  私も多久市の市議になった頃から、イノシシによる被害を何とかしてほしいという地元農家の切実な声を聞き、行政よりも自分が手っ取り早くできる狩猟免許を取得するとともに、猟友会に属し、現在に至るまでイノシシの捕獲に頑張っているところであります。  この六月も、実は多久市の陸上競技場、中央公園、ここに出没しているイノシシをどうにかしてくれという依頼を頂戴いたしまして、わなを三カ所かけました。見事、一メートル十センチ、九十五センチのイノシシが六月三日に二頭かかったところであります。  議員活動をしながら、本当にこのイノシシの問題を頑張らせていただきます。おかげさまをもちまして、今回、大日本猟友会から功労表彰を頂戴したところであります。これからもしっかりイノシシ対策を頑張ってまいります。  それでは、次の点についてお尋ねいたします。  昨年、捕獲報償金の通年化が決定されているところです。その効果についてお尋ねいたします。  県では、捕獲報償金をこれまで狩猟期間は交付対象外としていたものを昨年度より県独自に年間を通して交付され、幼獣に対しても対象になりました。月一度の捕獲確認日など、持ち込む猟友会の方々の活気を私は感じたのでありますが、その効果は県全体ではどうだったのかお尋ねいたします。 100 ◯川崎生産者支援課長=捕獲報償金の通年化による効果についてお答えいたします。  令和二年度におきます捕獲報償金の対象となるイノシシの捕獲頭数については、約二万五千頭となりました。通年化する前の令和元年度と比べますと、全体で四五%増加しております。  令和二年度はイノシシの生息頭数が非常に多かったものと推察されますが、そうした中でも交付期間を延長した十一月から三月は前年より五〇%増加となっておりまして、全期間の増加率を上回る実績となったところでございます。  また、先ほど幼獣という話がありましたけれども、通年化前は捕獲報償金が成獣に比べて極端に少なかったということから、冬場は幼獣について──要はウリボウですね──は積極的に捕獲をされていなかったというふうに聞いておりますけれども、この幼獣につきましては、十一月から三月の捕獲頭数が前年対比一五四%ということで、これも大きく増加したところでございます。  また、今回の通年化に関して県猟友会や市町の関係者に現場の声を聞きました。その中で、例年十一月から三月は箱わなを閉じていたが、去年は扉を開けてイノシシを捕獲するようにしただとか、餌やりやわなの見回り回数を増やしたなど、冬場の捕獲意欲が高まったという声と、イノシシが出産する前の冬の時期に捕獲を進めることができたので、春先の出産数も減っているのではないかという声だとか、今年の四月から五月のイノシシの捕獲頭数が例年に比べて少ないように感じるという、冬場にイノシシ捕獲を進めた効果を実感される声というものも聞かれているところでございます。  以上、お答えします。 101 ◯野田委員=かなりの効果をお話ししていただきました。
     確かに冬場の猟期のイノシシ猟というのは、特に一月、二月、脂が乗って肉がおいしいこと、しかしながら、脂がついていない小さい幼獣というのは食べる対象にならないんですね。そういった意味では、ちょっというと、箱わなから逃がしたりとかいう声も聞いたりもしていましたし、逆に言いますと、四月にならないと数が出てこないというような、これはどういうことかちょっと分からないんですけれども、そういったなかなか上がってこない状況があったんですけれども、幼獣に関しましても、一五四%という数字をいただきました。  こういった形で、本当に取る意欲というか、出てきたし、活性化が出てきたんじゃないかなというふうに思っている次第です。  ここで、実は平成二十五年、環境省の目標によると、三十五年、いわゆる令和五年、あと残り三年なんですけれども、実はこういったイノシシや鹿を十年をめどにして半減する方針というのがうたわれているところです。お伺いしますと、じゃ、半減するから、佐賀県は何頭ぐらいというようなことにはなっていないというふうにお伺いいたしました。  令和五年までに十年前の半減になるということに対して、県は今どういったお考えをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。 102 ◯川崎生産者支援課長=政府の目標のイノシシ固体数の半減ということについて、県の認識についてお答えしたいと思います。  委員御指摘のとおり、政府のほうではイノシシの個体数を半減させるということで、五十万頭まで下げるという目標を掲げておられます。そうした中で、全国の生息数の推計値というのは、全国段階しかないもので、県別の生息数はないわけですけれども、県のほうでも総合計画なり「食」と「農」の振興計画のほうでイノシシによる農作物の被害額を減少させるということで目標を掲げておるところでございます。  具体的なイノシシを含む有害鳥獣による農作物被害額、二〇一八年が一・四億円であったものを二〇二二年までに一・二億円に下げるという目標を掲げてございますけれども、ちょっと最近は大体一・四、五億円ぐらいで下げ止まりというところでの被害額になっておりますので、いま一歩、こういった捕獲対策というのを進めていかなければならないということで認識しておるところでございます。  以上、お答えします。 103 ◯野田委員=ありがとうございます。  昨年のような大ヒットというのはなかなか難しいかと思うんですけれども、そういうしっかりと現場、あるいは諸問題に対応する形でこれからも支援策をお願いしたいと思っているところです。  それでは、市町におけるイノシシ被害対策についてお尋ねいたします。  私の地元では、イノシシの捕獲や追い払いなど、その被害対策におきましては、実質的に県猟友会多久支部が実施しているところです。しかし、県内全体を見渡しますと、捕獲に対して猟友会でなかったりと、様々な体制があるようです。  そこで、お尋ねいたします。被害対策の活動体制についてです。  市町におけるイノシシの被害対策の活動体制は具体的にどのようになっているのかお尋ねいたします。 104 ◯川崎生産者支援課長=市町における被害対策の活動体制についてお答えします。  イノシシを含む鳥獣の被害対策は、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律、いわゆる鳥獣被害防止特措法に基づいて被害防止施策を適切に実施するための体制が市町を中心に整備されております。  具体的には、市町が被害防止対策の実践的活動を担う鳥獣被害防止対策実施隊というものを設置する体制、それと隣接する複数の市町や関係団体で構成する有害鳥獣対策協議会が被害防止対策を地元の狩猟者団体等に委託する体制の大きく二つのパターンがございます。  以上、お答えします。 105 ◯野田委員=対策には二つの大きな体制があるということでありました。  それでは、まず鳥獣被害対策実施隊については、具体的にどういったものでしょうか、お尋ねいたします。 106 ◯川崎生産者支援課長=実施隊についてお答えします。  鳥獣被害対策実施隊は、市町における鳥獣の被害防止施策を実践するものとして、鳥獣被害防止特措法に基づいて市町に設置できるものとされているものでございます。  実施隊の隊員については、市町長が市町の職員から指名したり、または職員以外で被害防止の実施に積極的に取り組むことが見込まれる者を任命するといった形になっております。市町の職員以外で任命された隊員は、市町の非常勤職員として扱われまして、その報酬だとか補償措置については、各市町の条例で定めるものとなっております。  隊員のうち、主に捕獲活動に従事する隊員につきましては、狩猟者登録時における狩猟税が免除されたりだとか、猟銃所持の許可の更新の際に技能講習が免除される、そういった優遇措置を受けられるようになっているところです。  以上、お答えします。 107 ◯野田委員=非常勤扱いということですね。条例の下に活動されるということでございました。  では、その具体的な活動内容についてお尋ねいたします。 108 ◯川崎生産者支援課長=実施隊の活動内容についてお答えします。  実施隊は各市町の被害防止計画に基づいて、有害鳥獣の捕獲、捕獲従事者とか住民に対する指導、助言など、計画に基づく一般的な被害防止施策のほうに従事することと、そのほか市町長の指示を受けて、住民の生命や財産に係る被害を防止するために行う緊急的な追い払いなど、そういった活動に従事することとされております。  以上、お答えします。 109 ◯野田委員=現場に即した活動をされているんだなというふうに私は受け取ったところであります。  それでは、設置状況について、各市町での設置状況というのはどうなっているんでしょうかお尋ねいたします。 110 ◯川崎生産者支援課長=実施隊の設置状況についてお答えします。  国の調査によりますと、令和二年四月末で全国千七百四十一市町村ございますが、そのうち千二百十八市町村、約七〇%の市町村で実施隊が設置されております。  本県では、県内の二十市町全てで設置されている状況にございます。  昨年度の調査によりますと、県内の実施隊員数は全市町合計で百六十二名となっておりまして、そのうち大半は市町の職員さんとなっておりまして、約九十一名、農業者が三十九名、農業団体職員が四名、その他会社員とかになりますけれども二十八名と、そういった内訳になっております。  また、実施隊員百六十二名のうち狩猟免許の所持者については七十六名というふうになっているところでございます。  以上、お答えします。 111 ◯野田委員=狩猟免許の方が七十六名ということで、あまりぶつかっていない部分があるんだなというふうに、私は今ちょっと感じた次第であります。  それではもう一つ、有害鳥獣対策協議会による被害対策についてお尋ねいたします。  被害対策の委託先についてです。  有害鳥獣対策協議会による被害対策は委託により行われているということでありますが、どのようなところに委託されているのかお尋ねいたします。 112 ◯川崎生産者支援課長=協議会による被害対策の委託先についてお答えします。  県内の有害鳥獣対策協議会における被害対策の委託先としましては、市町全域とか旧市町村を活動範囲とする県猟友会の支部がほとんどとなっております。  佐賀市や唐津地域など、対応するエリアが広い協議会におきましては、支部の活動範囲を旧市町村ごとなどに細分化して、猟友会の会員等で構成されます駆除班などの小さな活動組織に委託されるケースも見られるところでございます。  以上、お答えします。 113 ◯野田委員=ただいま駆除班という御説明がございましたけど、駆除班というところをもう少し細かく教えていただければと思います。 114 ◯川崎生産者支援課長=唐津地域を例に取りますと、唐津の広域駆除対策協議会では、唐津地区のエリアを旧市町村等の範囲で十二に区分されてございます。その中で、猟友会の支部が幾つかあるわけですけれども、その旧市町村等の区分したエリアの範囲で猟友会のメンバーの方たちの中から、主にそこに住んでおられる方というふうになりますけれども、そういった方たちで駆除班というのを設置されておりまして、協議会のほうはその猟友会の支部と契約するんじゃなくて、そこの駆除班それぞれと委託契約を結ぶといった形になってございます。  以上、お答えします。 115 ◯野田委員=では、それぞれの活動内容についてお尋ねいたします。  各駆除班を含めた活動について、よろしくお願いいたします。 116 ◯川崎生産者支援課長=駆除班を含めた委託先の活動内容についてお答えします。  有害鳥獣対策協議会の委託先の活動内容については、農林業等に係る被害防止の目的で行われております。そういった目的で行われますイノシシ等の有害鳥獣の捕獲や追い払い、それと有害鳥獣の出没に対する地元住民からの相談の対応なり域内の見回り、それと協議会で所有します猟具の維持管理、それと個々の捕獲従事者間における捕獲業務に係る連絡調整などが委託先の主な活動内容となってございます。  以上、お答えします。 117 ◯野田委員=それぞれ組織でされているというように感じました。私たち猟友会でやっているのも組織でやっているんですけれども、ほとんどは末端では全て個人的な活動です。個人の所有する箱わなに対して、全てが個人で活動してやっていくというようなことからいきますと、非常に負担が少なくて済むメリットがあるなというふうに感じた次第です。  それでは、実施隊活動と委託活動による取組についてですが、市町においてはこういった組合せをもって現場での被害対策に当たっていると思われます。具体的にどのように取り組まれておられるのかお尋ねいたします。 118 ◯川崎生産者支援課長=実施隊活動と委託活動による取組についてお答えします。  本県におきましては、平成二十年に鳥獣被害防止特措法が施行されて、各市町に実施隊が設置されるようになりましたが、その法施行以前から県独自に協議会による委託での対応を推進していたということもございまして、市町におけるイノシシ等の被害対策は基本的に委託活動による取組が中心となってございます。委託活動で対応が及ばない場合などに、実施隊活動で補完的に対応しているという市町がほとんどとなっている状況でございます。  例えて言いますと、唐津市におきましては、イノシシ等の有害捕獲等については駆除班への委託活動により取り組まれますが、実施隊につきましては銃での猟ができる方を中心に編成して、カラスの被害対策に特化して取り組むなどの役割分担とされております。  また、武雄市を例に取りますと、武雄市では唐津と同じく、通常のイノシシ等の有害捕獲については基本的に猟友会への委託活動により取り組まれておりますが、例えば、箱わなに入りにくいなど、捕獲が困難なイノシシが出てきた場合とか、猟友会で対応が難しいと判断される場合につきましては、猟友会の中でも捕獲技術にたけた方三名で実施隊が構成されていまして、そういった方たちが特別に出動するというような体制を取られているといったようなものもございます。  このように地域の実情に即した形で実施隊活動と委託活動を組み合わせて、現場での被害対策が行われている状況でございます。  以上、お答えします。 119 ◯野田委員=ありがとうございます。実情に即してということで、それぞれの役割を持ちながらされているんだなというふうに感じた次第です。  何でかといいますと、このイノシシに対する報償金というお金が絡んだりいたします。そういった意味で、当初、この実施隊ということが論じられたときに、一般的な議論として、非常にそういう問題が出てくるんじゃないかというふうに論じられておりました。今の話によりますと、ちゃんとそういったすみ分けといいますか、役割分担ということで御説明いただいた次第です。  それでは、次の質問です。そういった取組に課題が生じた場合の県の対応、県の立ち位置についてであります。  イノシシの被害対策は、現場に最も近い市町が主体となって実施されておるところでありますが、今後、捕獲従事者の高齢化や減少などにより市町の取組に課題が生じることも想定されていくわけであります。こうした場合、県ではいろんな対応というのが論じられると思うんですけれども、あくまでも市町のことなのか、あるいは県としてどういうふうに思われるのかお尋ねいたします。 120 ◯川崎生産者支援課長=市町の取組に課題が生じた場合の県の対応についてお答えします。  県では、県内各地域の鳥獣被害対策の取組を支援するために、県段階に県や農業団体で構成します鳥獣被害対策指導チームを設置しているところでございます。また、地域段階には農業改良普及センターごとに地区鳥獣被害対策支援チームというものを設置しておりまして、基本的に市町の取組に課題が生じた場合については、これらのチームが助言、指導等を行うこととしているところでございます。  特に最近では、捕獲従事者の高齢化とか減少で市町単位での被害対策は難しくなるというふうなことも想定されてきておりますので、こういった課題に対しては県指導チームや地区支援チームで対応を検討して、広域での取組を進めるなどの支援を行ってまいりたいと考えております。  以上、お答えします。 121 ◯野田委員=必ずしも市町の問題ではないということで、県としても指導に入りたいということでございました。  特に、この特措法第四条を読んでみますと、市町村はこの被害防止計画ですね、捕獲するようないろんな総合対策です。あらかじめ知事と協議しなければならない。この場合において被害防止計画に許可権限委譲事項を記載しようとするとき、こういったときにも知事の同意を得なければならないとか、あるいは十条の三ですね。「都道府県知事は、市町村長に対し、当該市町村における被害防止施策の実施等に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。」というふうにありますので、私は先ほど申し上げたように、非常にある意味、駆除活動といいましても、報償金の絡むときにやっぱり問題が大きくなっていく可能性があると思うんです。固執される方もいらっしゃいます。そういったところで、市町とはまた違う立場で御助言なり御指導なりをぜひいただきたいというふうに思っているところです。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、捕獲従事者の捕獲技術向上についてお尋ねいたします。  農作物の被害を軽減するために、イノシシを一頭でも多く捕獲していただきたいと考えているところであります。しかし、捕獲従事者の中には、なかなかイノシシが捕れない方、猟友会に入会されたばかりの二十代や三十代の若い方、特にここ数年、猟友会のほうも若い方々が微増しているところであります。でも、なかなかそういった、どうしていいか分からないというところがあります。昔みたいにしっかり我が師匠というふうに年配の方を立てて活動するというようなことも非常に少なくなってきて、若い人は若い人なりにという世界から抜け切れない状況もあります。いわゆる先輩の技術を盗んだりということがなかなか、時代でしょうか、そういったことを見かけたり、あるいは聞いたりするところであります。  こうしたことから、こういう方々を対象に捕獲技術の向上、習得対策を講じる必要があると本当に思っているところです。捕りきらんけんそろそろやめようかなと、せっかく取られた方がやめようかなとか、あるいは中山間直接支払で各集落で対策を立てられた方々、そういう長老の方が亡くなったときに、四十代ぐらいの方々が長老の言うことしか聞きよらんやったけんが、どがんしてよかか全く分からないと。だから、猟友会の活動はしきらんということで、ちょっと考えさせてくださいというふうなことも現に我が猟友会多久支部でもあっているところです。  せっかく志を持ってそういう捕獲対策に参加しようという方々が、技術が伴わないからということで気がめいってやめていこうとされている。こういう方々に対して、本当に習得対策を講じる必要があると考えています。これまでの取組について県はどのように取り組んでこられたのかお尋ねいたします。 122 ◯川崎生産者支援課長=捕獲従事者の捕獲技術の向上に関するこれまでの取組についてお答えします。  狩猟免許を取得したばかりの初心者の方については、例えば、箱わなによるイノシシの捕獲であれば、わなの設置場所や設置方法、餌まき、止めさし等の捕獲技術を先輩の捕獲従事者の方々から習得していくということが多いと存じております。また、県の猟友会の支部等では独自に研修会を行われているなど、捕獲技術の向上に取り組んでおられるところでございます。  県では、これまでこうした地域での取組が円滑に進められるように、猟友会の新規入会者や関係機関の初任者等を対象としまして、イノシシ等の一般的な生態や特徴を知っていただくための鳥獣被害対策指導員養成研修、これを毎年開催しているところでございます。また、捕獲従事者の捕獲作業時の安全確保が図られますよう、県猟友会に委託しまして、事故防止研修や安全指導研修を行っていただくとともに、初めて免許を取得された方に対する実技研修なども実施していただいているところでございます。  こうした側面支援といいますか、そういったものを県としてはこれまで取り組んできたところでございます。  以上、お答えします。 123 ◯野田委員=今までの取組を御説明していただきました。  実は、非常に重たい、堅い、そういうイメージがありまして、実はこの間、小城のドゥイング三日月でもありました鳥獣被害対策指導員養成研修というのがありました。行政とかJAさんとか普及センターとか猟友会からも参加しておられました。そういった内容は非常に分かるんですね、分かります、ありがたいです。私もずっと参加させていただいているんですけれども、でも、猟友会の若手の方々からすると、もっと若い人たちだけでフランクに実施、実技、あるいは小規模で身になるものということを非常に望んでいらっしゃるのではないかなというふうに強く感じているところです。  よその県を見ましても、そういった体験型で何人かを集めてそういう研修の実施をなさっているというようなところもあります。団体でやることも、座学もいいでしょうけれども、実際に、例えば、ちょっとした座学があって、その後は野山の現場に行ってやるというようなこともされているのも非常に魅力的じゃないかなというふうに感じているところです。ぜひそういったところをお願いしたいんですけれども、今後、さらに獲得技術が身につく効果ある取組、こういったものが私は本当に必要だと思っています。どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 124 ◯川崎生産者支援課長=今後の取組についてお答えします。  今後もイノシシによる農作物被害の軽減を図っていくためには一定の捕獲数を維持することが必要でございまして、そのためには捕獲従事者の確保と併せて、それぞれの捕獲従事者に一頭でも多くのイノシシを捕っていただくという、捕獲技術の底上げを図っていく必要があると考えます。  このため県では、今年度から県や市町の職員を対象として、鳥獣捕獲に対する豊富な知識と指導経験を持つ事業者に委託し、イノシシ等の捕獲に関する知識や技術を習得する研修を実施することとしております。被害状況の把握やわなの仕掛け方など、現場で使える実技を習得させ、その現場の若い方をはじめとする、そういう方々を対象にしたしっかりとした指導なり助言ができる指導者を養成していくこととしたところでございます。  県としては、こうした取組によって、県内の捕獲従事者の技術向上や育成に努め、イノシシ等による被害の防止を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えします。 125 ◯野田委員=ありがとうございます。私ももともと狩猟を始めたのが、私より年代が近い、長くやっている先輩から教えてもらったわけです。しかしながら、一般的に猟友会では、猟友会というか、そういった捕獲の世界になりますと、報償金が絡むということになってまいりますと、手の内をあんまり見せたくないというのがですね、(発言する者あり)いや、本当なんです。そういうのが実情なんです。  といいますのが、やっぱり自分の捕る量が少なくなるというのは、やっぱり報償金が少なくなるということなんですね。  そういったことで、若い人たちと年配の方々のコミュニケーションが離れていくのもさることながら、そういった同じ組織の中で、あるいは同じ地域の中でもなかなか教えようとしないというような風潮があります。そういったところが非常にネックかなというふうにも思っているところです。  あくまでも狩猟から来た人々と、あるいは有害鳥獣の駆除という活動が大事だというふうな方面から来た人、あるいは今一頭幾らてばいというようなですね、やっぱり報償金から来る人、いろんな立場の人たちが捕獲をなさっておられます。  ただ、大切なのは一頭でも捕る。誰が一番被害を被っていらっしゃるのか、誰が一番困っているのかと、誰が一番もうかるかの内容じゃないですもんね。誰が困っているけん、こういう事業をやっているということでございますので、ぜひそういった方々の育成というところに力を入れていただきたいなというふうに思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、二番目に入らせていただきます。新規就農者の確保、育成についてお尋ねいたします。  農業は、欠かすことのできない食料を、生産、供給するのみならず、国土の保全や水源の涵養などの多面的な機能を有する本県の重要かつ基幹的な産業であると認識しているところです。  しかしながら、生産者の高齢化や減少、資材価格の高止まりなど、農業を取り巻く情勢は一段と厳しさを増しているところであります。  その厳しさゆえ、子供たちにはこのような苦労はさせたくない、継がせたくないという声も当たり前のように聞くところであります。地元でも農家の減少が続いており、中でも、中山間地域は特に厳しい状況にあり、私が知っている中でも、数年前まで百戸以上あった集落でも高齢者ばかりが目立つ六十戸余りの集落に減少したり、残りわずかな戸数により、集落その周りの環境そのものを維持していくことさえも影響が出始めているところも見受けられ、大変危惧しているところです。  次世代を継ぐ中間若手がいない産業、そして、住まなくなっていく地域、これらはあと十年もつのでしょうか。日本の農業の原点は里山であり、中山間であり、ここが日本の農業政策のスタンダードであるべきと私は思っているところであります。  さて、総務省の発表によりますと、一九九五年には約二百五十六万人だった農業従業者は、二〇一八年、平成三十年は約百四十五万人です。二十年間の間に約四三%減少したことになります。平均年齢も五十九・六歳から六十六・六歳と七歳も上昇しており、減り続けていくばかりか高齢化に拍車がかかっており、これから高齢による相次ぐ減少は必至で、農業従事者を少しでも増やしていくことは喫緊の課題とされているところであります。
     二〇一九年三月、総務省は、農業労働の確保に関する行政評価、監視、中項目は新規就農の促進対策を中心としての結果をまとめ、農林水産省に対して次のような勧告を出したというのがございました。簡単に申し上げますと、新規就農希望者への研修内容の充実、二つ目、普及指導センターが新規参入者に指導を行う、三つ目、離農理由の的確な把握、関係者への情報提供ということを勧告として挙げられているそうです。  これを受けて農林水産省は、地域の活力創造プランと題した施策により、二〇二三年までに四十歳以下の農業従事者を四十万人に引き上げる目標を上げ、農業に足を踏み入れようとする人々への必要な技術習得の研修や、経営の不安定な新規就農者への補助金などによる支援などの対策を講じるとされているという報道がありました。  このような社会状況がある中、県では、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」において、「次世代の担い手の確保・育成」を柱の一つに掲げられているところであり、私も今後、佐賀農業の振興を図っていくためには、新規就農者を確保、育成していくことが何より重要であると考えているところであります。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。  まず、基幹的農業従事者数の推移についてであります。  この十年ほど、平成二十二年以降の県内の基幹的農業従事者数の推移はどのようになっているのか、まずお尋ねいたします。 126 ◯竹下農産課長=基幹的農業者数の推移についてお答えをします。  本県の基幹的農業者数、いわゆる専業の従事者の方及び兼業で従事日数が農業のほうが多い世帯員数でございますけれども、この推移を農林業センサスで見ますと、平成二十二年で二万七千六百四十八人、平成二十七年で二万三千九百六十六人、令和二年で一万九千十五人となっておりまして、担い手の高齢化や就農する若者の減少が続いており、この十年間で三二%減少している状況にございます。  以上、お答えします。 127 ◯野田委員=我が農業県でもここ十年間で三二%の減というふうに御回答をいただきました。  それでは、新規就農者の確保についてであります。  私たちもやっぱりいろいろ地域の公民館なんかに行きますと、もうあと何年でやめるばいというような方々のお話をよく聞きます。そのたびにやっぱりせっかくここまで石垣を積んで、一生懸命こういった整備をして長年やってこられたなりわいをこの代でというふうな、非常にわびしい話につながっていくわけですけれども、そういった意味を考えますと、やはり新規就農者ということの確保については大事なことだと思っています。  直近五年の県内の新規就農者数の推移について、今度はお尋ねいたします。 128 ◯竹下農産課長=新規就農者数の推移につきましてお答えをいたします。  過去五年間の県内の新規就農者数につきましては、平成二十七年で百三十五名、平成二十八年で百二十四名、平成二十九年で百三名、平成三十年で百六十一名、令和元年で百七十二名、令和二年は百六十六名となっております。  以上、お答えします。 129 ◯野田委員=百六十台、過去三年は百六十一、百七十二、百六十六という御回答でした。  それでは、こういった方々の新規就農者の就農ルート及び年齢構成についてお尋ねいたします。それぞれどのようになっているのかお示しください。 130 ◯竹下農産課長=新規就農者の就農ルート及び年齢構成につきましてお答えをいたします。  直近の令和二年におきます新規就農者百六十六人につきまして、まず就農ルート別に見ますと、親元への就農や新規参入など自営就農が百三十二人、これは全体の八〇%となっております。農業法人への就業が三十四人、これは全体の二〇%となっております。  また、自営就農者百三十二人の内訳としましては、農業大学校の卒業生を含みます農家子弟の新規学卒が二十一人、農家子弟のUターンが六十五人、農家子弟外からの新規参入が四十六人となっております。  次に、新規就農者の年齢構成を見てみますと、十五歳から二十歳での就農が十五人、二十一歳から三十歳が四十人、三十一歳から四十歳が六十人、四十一歳から五十歳が三十三人、五十一歳から六十歳が十四人、六十一歳から六十四歳が四人となっておりまして、農家子弟であっても農業大学校への進学や他産業への従事を経まして、様々な経験を積み就農するパターンが多くなっている状況となっております。  以上、お答えします。 131 ◯野田委員=それぞれ御答弁いただきました。自営をされる方百三十二名ですね、令和二年度でということでありました。農業大学二十一名、Uターン関係で六十五、親元、それ以外関係で四十六というような数字をお示しいただきました。  それと、殊のほか、やはり四十歳以下の方が十代、二十代、三十代合わせて百十五名ということ、数字上は非常に喜ばしいなというふうに、私は今御答弁いただいた数字で感じた次第であります。しかし、そういった方々は、私も多久市内広く活動しているつもりではおるんですけれども、ああ、今度ここでしんさってよというようなそういう若手の方に、私はなかなかお会いしないなというところがあるんです。絶対数に比べると、なかなかまだ頑張らんといかぬなというふうに思っているところです。  実は、昨年、私は文教厚生常任委員会でありました。そういったことで、農業高校が佐賀県の基幹産業である農業に対してどういったお考えで、どういった状況であるということを質問させていただきました。農業高校、あるいは農業学科がある関連の六校についてお尋ねいたしました。残念なことに、そのときに高校を出てから就農される方は二名だったんですね、二名でした。本来、実業高校というのは、やはり学校を出てからそういった直結できる技術、知識を身につけるというのが本来の目的であったと思いますので、私はある意味非常にショックを受けたんです。  しかしながら、教育委員会さんの考えといたしましては、とりあえず一度は、農業に就く就かない、就かない中でも食品流通産業とか、そういう農業に関する法人にお勤め、その後、農業に就かれるかもしれませんということだったんですね。しれませんということで佐賀県の農業をこれから若い人たちが担っていけるのかというふうに、私はまたそこで不安を感じた次第です。そういった中での業界として一貫した若手の確保というのは、これから先すごく大事なことじゃないかなというふうに感じている次第であります。  そこで、次の質問に入らせていただきます。  新規就農者の確保に向けた取組についてであります。  意欲ある新規就農者を確保するため、県内の農業高校、農業系高校との連携を含め、県ではどのように取り組んでおられるのかお尋ねいたします。 132 ◯竹下農産課長=新規就農者の確保に向けた取組についてお答えをいたします。  県では、就農前から就農して経営発展するまでの各段階に応じた切れ目のない支援を行う「佐賀段階『農』の担い手育成プログラム」を一つのパッケージとして展開をしているところであります。  新規就農者の確保に向けた具体的な取組としましては、活躍されております若手農業者を紹介することにより、農業の魅力をPRする動画や情報のウェブサイトでの発信、東京など大都市圏で開催される就農希望者を対象としました相談会におけます本県農業の魅力や整備された受入れ体制のPR、農業改良普及センターや市町、農協など、関係機関・団体が一体となりました就農啓発セミナーの開催、就農前の研修を後押しするための資金の交付、地域が主体となった担い手の確保・育成システムでありますトレーニングファームの運営に対する支援などを実施しているところであります。  特に、農業高校との連携につきましては、高校生に早い段階から就農への思いを高めてもらうため、県では県内の農業系高校の五校が実施をしております、農家の子弟で、農業に関心の高い生徒を対象としました農業塾におけます先進農家での現地視察や講演会、青年農業者や女性農業者との意見交換などへの支援、また地域農業士や農業青年クラブ員と生徒との交流会の開催などを行っております。  また、農業大学校が農業系高等学校校長との懇談会を開催しまして、就農に関する情報交換等で連携を深めることによりまして、さらに実践的で高度な知識を学ぶことができる農業大学校への進学を促しているところであります。  以上、お答えします。 133 ◯野田委員=様々な取組について御答弁を頂戴いたしました。  今回の質問の中で打合せをさせていただく中で、昨年の高校卒業後の農業従事者は二名、今年は五名だったと伺っています。そして、昨年の答弁では大体例年平均すると三名の方が農業に従事されていますという答弁でありました。  ここまで農業界として学校、農業高校に対していろんな連携をされているという御説明でありましたけれども、例えば、直接農業に携われる方は平均で三名というようなことを聞かれますと、産業としてこの業界、農業の業界ですね、どういうふうに県として思われるのか、御答弁を聞かせていただけますか、お願いします。 134 ◯竹下農産課長=高校卒業で就農される農家数についての県の考えということで、それにつきましては、先ほど就農者数の調査の結果の中でも申し上げましたけれども、やはり高度な農業技術を習得したいとか、よその産業を体感したいとか、そういった状況等もあると思います。  また、高校卒業の段階では、経営主の親御さんのほうもかなり年齢的にもまだ若くていらっしゃるということで、そういったものをすぐ就農というところに至っていないというところはあるかと思いますけれども、先ほど委員から話がありましたように、いずれは就農というような方向に向かわれるように、各施策等を講じて進めていきたいというふうに考えております。  以上、お答えします。 135 ◯野田委員=ここは非常に大事なところだと私は思っています。昨日、県立高等学校農業系学校入学者における充足率というのを教育委員会に出していただきました。四校挙げていただいているんですけれども、高志館高校さんでも充足率七八%なんですね。伊万里実業さんは八八%、唐津南さんは一〇〇%です。佐賀農業さんは九八%、若干少ない。若干少ない中にも開きがかなりあるんですね。食品流通、あるいは何とか流通というふうに名前がつくところは一〇〇なんです、これは勤めることができると。ところが、環境緑地というところは五五なんですね。あるいは森林環境は四三なんです。本当に現場で頑張ってもらわんばいかぬようなところというのが非常に少なくて、フードビジネスとか流通関係というのは一〇〇なんです。これを見る限りでも、やはり農業離れというか、あまり直接農業に関わっていないなというのが見て取れます。  お話も一度させていただきましたけど、建設業界も若手がなかなか入ってこない非常に厳しい業界です。長崎県では産業界が貸切りバスに父兄さんと学生を乗せて、イメージを変えるために、そしてこれだけのすばらしい仕事をやっているんだよということを父兄さんたちにも分かってもらうために、県内をずっと回って、しっかりと産業の魅力、業界の魅力というのをお伝えされています。  私は佐賀県の農業、本当に農業高校、あるいは農業高校に通う生徒さん任せでいいのかなというふうに危惧しているところです。業界を全体で確保していくという姿勢が今とても必要じゃないかなというふうに感じているところです。  そういった意味におきまして、特にこういった言葉が今出てきております。高大接続教育ということです。近年、高大接続改革は高校教育と大学教育を一つのつながりものとして捉えた教育であり、この改革によって高校教育は大学受験のためだけに学ぶ場ではなくて、高校、大学教育を通じて社会で生きる力を延ばす、いわゆる即戦力をつくる教育に変わっていっているというような状況です。農業大学もあります、しかしながら、私はもっと若い、小さい頃からもこの佐賀県の農業の大切さということを業界全体で捉えていかないとだめではないかなというふうにすごく危惧しているところです。  これについて所見がございましたら、ぜひお願いいたします。 136 ◯竹下農産課長=若い年齢層への農業の魅力の発信ということかと思います。  お話のとおりに、やっぱり就農につなげていくためには、若い頃から農業っていいなと思っていただくことが重要かと思います。そのためには、県の振興方針にも掲げておりますけれども、稼げる農業というものをまずは挙げております。その中で、親御さんがしっかり稼いで魅力のある農業を展開していただくというところが一つの就農につながる大きなきっかけになると思います。  また、佐賀県は農業県として非常にすばらしい農産物がたくさんございます。環境もようございます。そうしたものを若い方、世代の方にも感じていただいて、農業っていいなというような役割につながるようなことになるように関係機関と連携をしていければと思っております。  以上、お答えします。 137 ◯野田委員=力強い御答弁をいただきました。ぜひこれから先の若い人たちへのアプローチ、角度、目線、そういったところから変えていっていただければというふうに強く感じます。  それでは、次に行かせていただきます。  Iターンの新規就農者に対する支援についてお尋ねいたします。  親元就農に比べ、他県からIターンで就農される場合には困難な面も多いかと思うところであります。そういった方々に対してどういった支援をなさっておられるのかお尋ねいたします。 138 ◯竹下農産課長=Iターンの新規就農者に対します支援についてお答えをいたします。  委員御指摘のとおりに、Iターンでの就農希望者は親元就農に比べまして、親族がおらず、農地や住居の当てがないなど、就農するに当たっての解決すべき課題が大変多くございます。  このため、Iターンでの就農希望者に対しましては、先ほど答弁をした支援に加えまして、生産部会やJA、市町が連携した農地や住宅に関する情報の提供、あっせん、地域の生産部会員と早い段階で交流をしていただくなどの人脈づくりなど、生活から生産にわたるきめ細かな相談に対応しながら、関係機関を挙げ寄り添った支援を行っております。  なお、こうした取組の一環としまして、県内の白石町や大町町などでございますけれども、そこにおきましては、Iターン就農者の農地確保に対する不安を払拭するために、農地中間管理機構──佐賀では佐賀県農業公社、いわゆる農地バンクでございますけれども──を活用しまして、就農地を事前に確保する動きが見られております。  さらに、JAや佐賀県農業公社では、確保された農地に園芸ハウスを整備し、貸付けを行うことにより、就農時の初期投資の負担軽減を図っておりまして、こうした取組に県も支援を行っているところでございます。  以上、お答えします。 139 ◯野田委員=本当に親元じゃなくてIターンで来られた方々、かなり心細い面も半面あるかと思います。そういった意味では、ただいま御答弁いただきました生産部会、こういったところとの交流、あるいは情報の交換というか、そういったところで非常に心強い面もあるかと思います。どうぞ、そういった面の支援というのを県にはしっかりと後方支援をお願いしたいなというふうに感じた次第です。  それでは、経営力のある担い手の育成に向けた取組についてであります。  新規就農者については、できるだけ早く地域を担う農業者として自立していただくことが重要であると考えているところです。  経営力のある担い手を育成するため、県ではどのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 140 ◯竹下農産課長=経営力のある担い手の育成に向けた取組についてお答えをいたします。  新規就農者については、できるだけ早期に経営を確立し、さらに地域を担う農業者に育成していくことが重要であります。このため、農業改良普及センターにおきまして、新規就農者を対象に農業の基礎知識及び実践技術を習得するための集合研修の開催や個別訪問による重点指導、若い農業者の交流を通じて相互研鑚する農業青年クラブ──いわゆる4Hクラブですけれども──の活動の支援などに取り組んでおります。  また、農業大学校におきましては、経営発展を目指す意欲的な農業者を対象に「さが農業経営塾」を開設しまして、販売力の強化や経営発展に向けたスキルアップを図っているところでございます。  以上、お答えします。 141 ◯野田委員=大概の方がぶつかるのが販売力と経営というふうにお伺いしています。  ただいま御説明いただきましたけれども、そういったところが非常に糧になるかと思っているところです。どうぞしっかりと御支援をお願いしたいと思います。  それでは、この項の最後の今後の取組についてであります。  佐賀農業が維持発展していくためには、次世代への農業の担い手を安定的に確保し、経営力の高い農業者へと育成していくことが重要と考えているところであります。  県では、今後どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 142 ◯竹下農産課長=今後の取組につきましてお答えいたします。  県では、これまで答弁しました取組に加えまして、現在、モデル事業として取り組んでおりますトレーニングファームの運営を通して得られたシステムやノウハウをほかの地域にも波及させていきたいと考えております。  また、今年度から新たに全ての農業改良普及センターにおきまして、今後、販売額で一億円を目指すトップレベルの経営体を育成するため、重点指導を行うプロジェクトに取り組み始めたところでございます。  今後とも、若い世代が農業に魅力を感じて地域を担う農業者として定着できるよう、市町や農業団体などと連携しながら、就農前から就農して経営発展するまでの各段階に応じた切れ目のない支援を行いまして、次の新規就農者を確保し、育つようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上、お答えします。 143 ◯野田委員=トレーニングファームの魅力を伝えたい、私も魅力を一生懸命伝えているんですけど、伝わらんとですよ。出前講座みたいなものでもいいですから、ぜひこういった新しい農業の在り方というのをまず知っていただきたい、だからこそ、出てきてでもどんどん押し売りでも結構です。本当にしていただきたいと感じる次第です。知らない人が多過ぎます。もったいないというふうに本当に思っていますので、どうぞ心よりお願い申し上げて、これからの若手の育成に御尽力いただきたいと思います。  最後に、この新規就農に関して、我が県の基幹産業は農業であります、将来に向けて本当に私は危惧しているところです。先ほど新しい人たちの農業に入っていく状況、例えば、卒業生が何名というふうなことで申し上げました。本当に少ないと思います。もっと農業の魅力を伝え、しっかとした体制づくりが私は必要だと思います。  そういった意味におきまして、同じ鹿児島県でやっぱり農業を危惧した組織を立ち上げて、鹿児島県における新しい農業教育推進のための検討会を立ち上げられて、四回、企業の社長さん、あるいは果樹園代表、JAさん、森林組合、鹿児島大学農学部、あるいは鹿児島農業大学から、あるいは行政では県農政部就農対策室、ほかに財団法人農業・農村振興協会、こういった人たちが集って、実は鹿児島県の教育委員会に提言をなさっています。農業の考え方に関して教育の在り方を変えなさいというような提言を平成二十九年に出されています。すばらしいことだなと、それほど業界として次の担い手に対する育成、そして危惧というのが現れた形で、教育から変えていくというような、これはすばらしいと私は感じました。  こういったことを鑑みまして、私はやはり先ほど申し上げましたように、農業を取り巻く業界全体として担い手を確保していく、育てていくということがこれからは重要だと思っているところです。これに対して池田農林水産部長さんの所見をお願いいたします。 144 ◯池田農林水産部長=新規就農者の確保、育成に対する所見についてお答え申し上げます。  本県農業が将来にわたって発展していくためには、それぞれの地域で常に農業の担い手が存在しているということでなければならないというふうに考えておりまして、そのためにも、新規就農者が次から次に確保されていくということが極めて重要だというふうに考えております。  そのため県では、就農前から就農して経営発展するまでの各段階におきまして、先ほど農産課長が答弁いたしましたように、いろいろな対策を講じておりまして、これからもより効果的な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  一事例申し上げますと、トレーニングファームにつきましては、県内四カ所で整備をして、県内外から研修生を確保して、地域で就農させていくという取組をもう既に数年前から行っておりますけれども、さがみどりのキュウリにつきましては、これは実は鹿児島県のピーマンの取組を参考にして始めたものでございまして、かつて鹿児島県のピーマン部会では、トレーニングファームみたいな教育施設をすることによって、一旦生産者数が減っていたのを、その取組によってV字回復をされたと、これは貴重な取組だというふうに我々感じまして、参考にさせていただいたわけですけれども、武雄のキュウリのトレーニングファームにつきましても、既にこれまで減っておりました生産者数、生産面積が下げ止まりまして、それが増加に転じていると、まさに極めて効果が出てきているというふうに感じておりまして、こういった新規就農者の確保、育成に成果が上がっている取組につきまして、さらに重点的な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、より多くの若い方たちに農業を職業として選択してもらうためには、農業に魅力を感じてもらえるように、稼げる農業を確立していかなければならないというふうに考えております。  今後とも、「さが園芸888運動」をはじめ、稼げる農業確立のための取組を強化するなどしまして、新規就農者が一人でも多く確保されますようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上、お答え申し上げます 145 ◯野田委員=ぜひ新規就農者の取組、しっかりと新しい目線、そして新しい技術、いろんなことを吸収して、そして、それを次の世代に投資する形で佐賀の農業発展のためによろしくお願い申し上げます。  それでは、三項目めに入らせていただきます。「後世に残したい店」支援事業についてお尋ねいたします。  県内には地域に愛される店がたくさんありますが、家族経営の飲食店などで後継者問題を背景に、廃業が後を絶たない状況と伺います。特にこの時期長引くコロナ禍の影響もあり、これを機会にと廃業を考えられたり、また、リバウンドのたびに自粛要請が繰り返されれば廃業が続き、地域の活力はますます失われていく懸念があります。  実際、食品新聞ニュースで、外食売上大幅減、閉店増加と題し、東京商工リサーチの調査として、二〇二〇年度における飲食店の倒産件数が過去最多という報道がありました。  また、今年一月の調査では、約四割の飲食店が廃業を検討したという情報も報道されているところであります。  こうした中、県では、昨年度から地域の後継者不足の店舗の魅力を情報発信することによって、その店舗の持つ価値を可視化し、経営者の事業承継意欲の喚起や後継者探しの後押しを行う「後世に残したい店」支援事業に取り組んでおられます。  この事業は、地域の残したい店の事業承継を推進することを目的としていると伺っております。しかしながら、飲食店は個人で経営されている店が多く、事業を引き継ぐ意思を持った後継者とのマッチングも難しいため、早期に成果を求めていくのではなく、腰を据えて取り組んでいく構えが必要であります。  一方で、この事業には隠れた地域資源に光を当てて掘り起こすという側面と、地元でしか分からない店に人が動く仕組みができ上がる魅力もあり、大きく期待を持つところであります。  よって、より効果的な認定店舗の情報発信の手法を取りながら、今後の事業展開をしっかり考えていく必要があると思うところであります。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。
     まず、事業承継の現状についてであります。  県ではどのように認識しておられるのかお尋ねいたします。 146 ◯佐藤産業政策課長=佐賀県内の事業承継の現状につきましてお答えいたします。  経営者の高齢化が進む中、事業承継の促進が喫緊の課題となっております。  民間調査会社の調査によりますと、本県の経営者の平均年齢は、令和二年で六十・三歳と全国平均の六十・一歳よりも高く、また、休廃業、解散は毎年二百五十件から三百件程度の発生が続いております。  また、県が平成三十年度から令和二年度までの三カ年に県内事業者約一万社を対象に行った事業承継診断によれば、その四割で後継者が不在と分かりました。このように、県内企業におきましても、事業承継が円滑に進んでいるとは言いがたい状況にあると認識しているところでございます。  以上です。 147 ◯野田委員=やはり後継者不在が四割あるというような答弁を頂戴いたしました。  それでは、事業承継を支援する体制についてお尋ねいたします。  この体制というのはどのようになっているのかお示しください。 148 ◯佐藤産業政策課長=事業承継を支援する体制につきましてお答えいたします。  事業承継には様々な課題があることから、多くの支援機関が密接に連携する必要がございます。本県においては、平成二十七年度から親族間承継や従業員承継、第三者承継などを支援する事業承継支援センターを県独自に設置して、専門のコーディネーターを配置し、第三者承継を主に支援する国の事業引継ぎ支援センターとも密接に連携しつつ、事業承継の支援を本格的に開始いたしました。  平成三十年度からは市町や商工団体、金融機関、税理士等士業団体を含めた県内七十三の支援機関を構成員といたします「佐賀県事業承継ネットワーク」を設立いたしまして、事業者の具体的な課題に対し、関係機関のそれぞれの強みを生かした支援を行ってまいりました。  その一環といたしまして、県においては商工会及び商工会議所に、事業承継支援員七名を配置し、先ほど答弁させていただきましたとおり、三年間で県内約一万社の事業承継診断を実施してまいりました。今年度からは事業承継支援の優先度が高い企業への個社支援にさらに力を入れていくこととしております。  また、国においては、今年度から事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワークの機能を統合いたしまして、マッチング支援、事業承継診断及び専門家派遣などを総合的に行う「事業承継・引継ぎ支援センター」が設置され、事業承継のワンストップ支援体制を構築されたところでございます。  以上です。 149 ◯野田委員=結構バックボーンといいますか、しっかりとしたこういった事業の下に体制があるのだなというふうに感じたところです。  それでは、この「後世に残したい店」支援事業の目的について、改めてお尋ねいたします。 150 ◯佐藤産業政策課長=「後世に残したい店」支援事業の目的についてお答えいたします。  県内には地域に愛される店は数多くありますが、特に家族経営を中心といたします飲食店などでは親族に後継者がいないので、自分の代で廃業するであるとか、わざわざ親族以外の第三者に承継しなくてもよいと考えられている経営者も多く、今般のコロナ禍のダメージによって廃業が相次ぎ、地域の活力が失われる懸念がございました。  このため、後継者が不在の「後世に残したい店」の魅力を情報発信いたしまして、その価値を可視化、共有化することで経営者の皆さんに、顧客をはじめとする周りの人たちからお店を続けてほしいといった声を受けて事業承継を考えていただいたり、多くの人たちが店を知ることによって事業を引き継ぎたいと考える人が現れることを目指して実施しております。  以上でございます。 151 ◯野田委員=事業を引き継ぎたいという流れと、そういう店があるんだったらぜひ行ってみたいという、やっぱりそこも大きな魅力を私は感じるところです。しっかりとこの事業に支援というか、応援、エールを送りたいと思っているところです。  それでは、この「後世に残したい店」の選定について、どのようになさっていらっしゃるのかお尋ねいたします。 152 ◯佐藤産業政策課長=「後世に残したい店」の選定についてお答えいたします。  昨年、令和二年十一月二十日から十二月三十一日まで、県内全域を対象に広く公募を行いまして、県民の皆様から総数六百二十三件、店舗総数三百二十四件の応募をいただきました。その中から四つの条件、すなわち後継者がいないこと、操業二十年以上であること、店主の年齢が五十歳以上であること、本事業に参加する意思がある、例えば、取材でありますとか、情報を開示することに了承いただけるといったこと、この四つ全てを満たした店舗を抽出いたしました。  その後、有識者で構成する選定会議におきまして協議を行い、四十五店舗の選定を行ったところでございます。  以上です。 153 ◯野田委員=この四つの条件をお伺いしまして、私の知っているところが何で入っていなかったのかが分かりました。  やはり応援している店は載っておってほしいなという思いがあったんですけど、ただいまのこの四つの条件をお伺いして納得いたしました。  それでは、「後世に残したい店」支援事業の効果について、どのようなものがあったのかお尋ねいたします。 154 ◯佐藤産業政策課長=「後世に残したい店」支援事業の効果についてお答えいたします。  本事業では、本年三月に四十五店舗を決定、公表しておりますが、多くの御意見でありますとか、反響をいただいているところでございます。  例えば、選定された店舗からは、「後世に残したい店」に選ばれたことによって、誰かに継いでもらうのもありだと考えるようになったというレストランの声であるとか、味と技を残していきたいとの思いに共感してくれる人が現れてほしいと望んでいるというラーメン屋さんの声、近い将来、どなたかに引き継げればと思っているので、この機会に後継者と出会えることを期待しているというお好み焼き屋さんの声などをいただいております。  いずれも経営者の皆さんにおいて、それぞれ事業承継を考えるきっかけとしていただいたものと考えております。  また、四十五店舗のうち三店舗は、前述の事業承継・引継ぎ支援センターに新たに御登録いただいたと聞いております。  今後、後継者候補とのマッチングといった次のステップにつながっていくことを期待しているところでございます。  「後世に残したい店」につきましては、各種メディアも度々取り上げていただいているところでございます。中にはテレビの報道を見られて事業承継に興味を持たれた県民の方から、事業承継・引継ぎ支援センターに数件相談があったという話も入っているところでございます。  今後とも、事業承継の後押しにつながっていくことを期待しているところでございます。  以上でございます。 155 ◯野田委員=本当に経営者の方から期待されていたり、後継者が現れてほしいという切実な思いがあったり、報道によっていろんな人に知られて、これは本当にいい事業だと、ありがたいと思っているところです。これは今も続けていらっしゃいますよね、ぜひこれを続けていただきたいと思っています。  それでは、この支援事業の今後の取組ですね、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 156 ◯佐藤産業政策課長=「後世に残したい店」支援事業の今後の取組についてお答えいたします。  今年度は、各事業者に寄り添う、いわゆる伴走支援に取り組むこととしており、選定した店舗に対しまして、訪問やオンライン相談等を実施いたしまして、お店が抱えておられる課題の把握でありますとか、支援機関との橋渡しを行うこととしております。  また、オンラインで全国の事業承継に関心のある人材を募集し、参加店舗の魅力であるとか歴史などをプレゼンするといったマッチング支援事業にも取り組む予定でございます。  加えて、「後世に残したい店」の公募は今年度も引き続き行い、今年度は五十店舗ほど新たに選定する予定でございます。  昨年度は飲食店を対象としておりましたが、今年度は直接消費者を相手にする業種、例えば、飲食業であるとか、それ以外にも製造小売であるとかサービス業にも対象を拡大して取り組むこととしております。  事業承継は多くの業種で喫緊の課題となっておりますことから、様々な事業者や一般県民の方々の関心の高まるような事業展開を図ってまいります。  以上でございます。 157 ◯野田委員=今後はサービス業とか製造小売関係にも広げていくということでありました。  ひとつ主体的なところ、事業主というところに正面から向いた事業だと思っているところです。先ほども私、申し上げましたように、そういったお店は今度ぜひちょっと訪れてみたいという、要は消費者の心理も働くところです。こういったところで、私たちよくテレビを見ていると、お隣、福岡県のいろんな情報というのはテレビ局が多いだけに、例えば、飲食店であったり、いろんなところを芸能人はじめいろんなレポーターが回って紹介しておられます。残念なことに佐賀県内、本当に地域が変われば、そうやって地元の人しか知らない店というところ、私たち分からないわけですよね。ですから、事業主さんにとってもプラスなんでしょうけれども、それイコール私たちも訪れてみたい店というふうに思いますので、そういったところへの情報発信、これもお願いしたいと思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。 158 ◯佐藤産業政策課長=今年度の取組におきます情報発信についてお答えいたしたいと思います。  昨年度も例えば、佐賀経済新聞であるとかサガテレビの番組といったところでも報じられておるところでございますが、本年度もそれにまして力を入れて様々な媒体で取り上げられることを目指して取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  以上です。 159 ◯野田委員=これは一つの要望ですけれども、行く行く国スポがあったりしてたくさんの人が回られます。そういったときに、やはり御当地のお勧めしたいお店というようなものも、そういったものからしっかりとハンドブックみたいなものができ上がればなというふうに思う次第です。どうぞ御検討のほどよろしくお願いいたします。  それでは、事業を引き継ぐ者への支援についてであります。  例えば、経営を引き継ぎしたタイミングをもって、いろんな事柄が発生するというのを伺ったことがあります。せっかくマッチングしていただいたんですけれども、その状況で長年やってきた方と、例えば、大家さんとの問題が生じたりとか、あるいは経営上のいろんな、資金とかいろんな面で困ったと、マッチングはうまくいったけれども、その後に対して、どこか相談をしたいというようなことが必ず上がってくると思うんです。  こういったことに関しまして、私は、この事業はただ単なるマッチングだけじゃなくて、そういったところのお助け役というか、指導役というところも少し担っていただきたいというふうに感じているところですけれども、どういった支援をお考えなのかお尋ねいたします。 160 ◯佐藤産業政策課長=事業を引き継ぐ者に対する支援についてお答えいたします。  まず「後世に残したい店」という事業につきましては、先ほど御説明させていただいたとおり、事業の自分たちの価値に気づいていただくということや後継者とのマッチングといったところについて対応させていただいております。  事業を実際に引き継がれる方に対する支援につきましては、先ほど御答弁させていただきました事業承継・引継ぎ支援センターでありますとか、事業承継支援員といった者において対応させていただいているところでございます。  具体的にどのような形で支援をさせていただいているかというところにつきましてお答えいたします。  県では、令和元年度から「中小企業事業承継円滑化支援事業費補助金制度」を設けまして、事業承継を行おうとする中小企業の商品開発でありますとか施設整備などの取組の支援を行っており、令和元年度には三十二事業者、令和二年度は四十事業者に御活用いただきました。今年度も六月十四日まで、まず第一次の公募を行いましたが、その間に多くの事業者から申請をいただいております。  この県の補助事業は、主にこれから事業承継を行おうとしている事業者を対象としておりますが、このほか、国において既に事業を承継した事業者を対象とした「事業承継・引継ぎ補助金」という制度もございますことから、段階に応じて各種の補助金を活用していただくというようなことが考えられるところでございます。  また、県の制度金融におきましては、平成二十八年度に事業承継に係る資金を創設いたしまして、その後、令和元年度からは「事業承継資金」という形で拡充いたしまして、事業承継に際して建物改築でありますとか、設備更新などが伴った場合、そういった場合の設備資金であるとか、運転資金の需要に対応しております。  このほか、経営者として必要な知識を学ぶための支援といたしまして、佐賀県産業イノベーションセンター内にある佐賀県よろず支援拠点が本年七月から八月にかけまして「後継者育成塾」を開催することとしております。  引き続き、市町や商工団体、事業承継・引継ぎ支援センターなど関係機関と連携しながら、事業承継が円滑に進むようしっかりと支援してまいります。  以上でございます。 161 ◯野田委員=いろいろ支援策を頂戴いたしました。実は今回この質問をさせていただく間に、じゃ、ちょうど引継ぎをやっているところでこういった問題があるというふうなことをお話し申し上げましたところ、職員さんが次の日に即対応してくださいました。まさにそれを私いただいてから、すぐ当事者に持っていったら、それはそれは、やっぱり喜びました。  というのが、商工会ではこういうものがなかったと、自分が当てはまらなかったと、これは当てはまるからすごく助かるという、要は事業承継したときに、ケースバイケースによって支援していただきたいものがそれぞれ変わってくると思うんですね。それに対して対応がどれだけ、やっぱり合ったものをしていただけるかというところが一番大事じゃないかなというふうに思う次第です。  承継した時点では、その業種なりに一生懸命、あるいは経営に一生懸命特化してしまいます。こういったことに関して困ったときに、相談するところが間近、あるいは身近にあれば、鬼に金棒というか、しっかりとした安心感につながっていくと思います。  職員さんの対応には本当に感謝いたします。それと、同じくこの事業自体にぜひそういった支援を、後々のアフター支援をお願いするところであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  じゃ、これで質問を終わります。 162 ◯川崎委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午後二時四十七分 休憩     午後二時四十八分 開議 163 ◯川崎委員長=委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終了し直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 164 ◯川崎委員長=まず、甲第四十一号議案中本委員会関係分、乙第四十九号議案及び乙第五十三号議案、以上三件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 165 ◯川崎委員長=全員起立と認めます。よって、以上三件の議案は原案のとおり可決されました。  次に、甲第四十五号議案を採決いたします。  これは、令和三年度一般会計補正予算第五号の専決処分中本委員会関係分について、議会の承認を求める議案であります。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 166 ◯川崎委員長=全員起立と認めます。よって、甲第四十五号議案は承認されました。     ○ 継 続 審 査 167 ◯川崎委員長=最後に、二月定例会から引き続き審議中の 一、産業労働行政について 一、農林水産行政について  以上二件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 168 ◯川崎委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の二件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。  以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  なお、本日の委員会での質疑応答において、数字または字句の誤り及び不適切な発言などありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。  これをもちまして、農林水産商工常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。
        午後二時五十分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...